2018-05-10 12:36:00

教皇、「ノマデルフィア」を訪問、兄弟愛の実践を励ます


教皇フランシスコは、イタリア中部トスカーナにある2つのカトリック共同体を司牧訪問された。

5月10日、教皇が訪れたのは、トスカーナ州グロッセート県グロッセートの「ノマデルフィア」と、同州フィレンツェ県フィリーネ・エ・インチーザ・ヴァルダルノにあるフォコラーレ運動の国際共同体「ロッピアーノ」。

教皇は同日午前、まずグロッセートに、ゼーノ・サルティーニ神父(1900-1981)が創立した共同体「ノマデルフィア」を訪問された。

「ノマデルフィア」は、サルティーニ神父によって、1947年に創始された。「ノマデルフィア」は、ギリシャ語の「ノモス(掟、規範)」「アデルフィア(兄弟)」からなる、「兄弟愛を掟とする場所」の意味を持っている。

ここでは、初代のキリスト教徒たちの精神に倣い、福音に基づく文化の構築を目指すカトリックの信徒、家族らが、自発的かつ自給自足的な共同生活をおくっている。

同共同体は、グロッセート教区内の一つの小教区として主任司祭を持ち、義務教育のための学校、農場や作業所なども備えている。

ノマデルフィアを訪れた教皇は、創立者ゼーノ・サルティーニ神父の墓前で祈りを捧げられた。

教皇は共同体の人々から熱い歓迎を受け、子どもや青年たちが演じる、ゼーノ神父の活動と生涯を紹介する短劇をご覧になった。

関係者への挨拶で、教皇は、福音精神を実践する生活を通して、新しい文明を提案するノマデルフィア共同体の預言的性格を指摘。

「鋤(すき)に手をかけてから後ろを顧みる者は、神の国にふさわしくない」(ルカ9,62)というイエスの言葉を胸に刻み、福音の力を具体的な生活の中に生かすために、困難を厭わず尽力したゼーノ神父の生き方を思い起こされた。

同共同体の特徴である「兄弟愛を掟とすること」は、ゼーノ神父が全生涯をかけた理想・目的であったと教皇は強調。

彼が目指したのは、「信じた人々の群れは心も思いも一つにし、一人として持ち物を自分のものだと言う者はなく、すべてを共有していた」(使徒言行録4,32)と記される、初期のキリスト教徒たちの姿であったと話された。

教皇は、同共同体が身寄りのない子どもたちや、困難な環境に置かれた子どもたちを受け入れていることに触れ、こうした子どもたちに愛という言語で接したゼーノ神父を振り返った。

また、ノマデルフィアのもう一つの預言的しるしとして、教皇は共同体内で高齢者たちに向けられる愛のこもった関心を指摘。高齢者たちを共同体の人々全員で支える姿勢を称賛された。

教皇は、ノマデルフィア共同体がゼーノ神父の精神を常に受け継ぎ、兄弟愛を様々な場で目に見える形にしながら、喜びをもって福音を証し続けるよう願われた。

 

 








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