2018-04-15 20:00:00

ローマ小教区訪問:教皇、十字架の聖パウロ教会でミサ


教皇フランシスコは、ローマ市内の十字架の聖パウロ教会を訪問された。

十字架の聖パウロ教会は、ローマ市の西郊外、コルヴィアーレ地区にある。小教区として1977年に設立され、教会は1983年に献堂された。

同教会の前には、1970年代後半から80年代前半に建設された大規模な公団マンション「ヌオーヴォ・コルヴィアーレ」がそびえている。約1kmに渡って伸びる特徴的な長い建造物は、その姿から「セルペントーネ(長い蛇)」とも呼ばれ、9階建て、全1200戸に、6千人以上が生活している。

現在、この大型集合住宅は老朽化が進むと共に、生活の不便、治安上の不安、若者の流出、住民の高齢化などの問題を抱えている。

4月15日午後、同地区を訪れた教皇は、十字架の聖パウロ教会到着前に、車でこの長い建造物を一巡された。窓辺には教皇を歓迎する横断幕が見られるなど、教皇の訪問は住民たちを喜びで包んだ。

教会の外で行われたカテキズムを勉強中の子どもたちとの出会いで、「福音書のどの一節が好きですか」と質問された教皇は、「マタイ福音書のイエスが収税人マタイを弟子にする場面です」と答えられた。

また「洗礼を受けていない人も神の子ですか」という質問に、神は皆を創造し、皆を愛され、それぞれの心に善悪を見分ける心を与えられたが、洗礼を受ける時、その心に聖霊が入られ、より強く神と結ばれた者にすると説明された。

教皇は質問の途中で泣き出した一人の少年をそばに招き、耳もとでその話しを聴かれた。父親を昨年亡くしたばかりで、信者ではなかった父が今天国にいるかを心配している少年に、お父さんは信仰の恵みはなくても、子ども全員に洗礼を受けさせ、あなたのような勇気を持った子どもを育て、良い心を持った人だった、誰が天国に行くのかをお決めになるのは神様ですと、力づけられた。

続いて、教会の集会室で、教皇はお年寄りや、病者、生活に苦しむ人々とお会いになった。

教皇は地元の教会がこれらの人々と常に共にあり、霊的・物的支援を配慮していることを喜ばれた。

「人間は誰もが苦しみや傷を負っているが、決して希望を失ってはいけません。イエスはご自分の傷口をもって、皆を贖われたからです」と教皇は話された。

教皇はイエスの愛を思いながら前進するようにと人々を励ますと同時に、「わたしたちもまた他人に良いことを行い、互いに祈り合いましょう」と勧められた。

最後に教会でミサを捧げられた教皇は、復活したイエスに心を開き、「キリストは生きておられる。復活なさったのだ」という喜びを知る信仰の恵みを、神に祈り求めるよう呼びかけられた。








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