教皇フランシスコは、3月17日、聖ピオ神父ゆかりの地、南イタリアのピエトレルチーナとサン・ジョヴァンニ・ロトンドを司牧訪問された。
この訪問は、聖ピオ神父(ピオ・ダ・ピエトレルチーナ、カプチン会士、本名:フランチェスコ・フォルジョーネ、1887-1968)の聖痕出現100年と、帰天50年を記念して行われた。
教皇は同日早朝、最初の訪問先として、ピオ神父の生誕の地、カンパーニア州ベネヴェント県のピエトレルチーナに向かわれた。
ピエトレルチーナは岩がちな丘の上に造られた、人口およそ3千人の小さな町。
同地に到着された教皇は、ベネヴェント教区司教をはじめとする教会関係者、地元行政代表や、多くの市民、巡礼者らに迎えられた。
まず、教皇は、聖ピオ神父が最初に聖痕を受けた場所である、ピアーナ・ロマーナ地区の聖フランシスコ礼拝堂に赴かれた。
かつて農園であったこの付近には簡素な小屋とよく繁ったニレの木があり、それは若き日のピオ神父の祈りと瞑想の場所であった。ピオ神父は健康上の理由で帰省中、ニレの木陰で祈っている時、最初の聖痕を受けた。
1958年、この場所にアッシジの聖フランシスコに捧げる小さな礼拝堂が建てられた。内部には、ピオ神父が聖痕を受けた時のニレの木の幹が保存されている。
教皇は礼拝堂に入られ、十字架の前でしばし祈りの時を持たれた。
続いて、広場に集った市民と巡礼者に挨拶をおくられた教皇は、聖ピオ神父がその豊かな人間的・霊的歩みを始めたこの地を訪れたことに、喜びを表された。
教皇はピオ神父がカプチン会に入会するまで、ここで祈りを学び、貧しい人々の中に主イエスを見出し、教会を愛し、母なる教会の子としての体験を生きたことを回想。
聖なる教会と、罪深い多くの人々のすべてを愛した聖ピオ神父の姿を思い起こされた。
ピオ神父が最初の聖痕を受けた時期、それは同神父にとって厳しい内的な闘いの時であり、悪魔によって罪に押しやられる危険を感じたピオ神父は、この恐ろしい闘いの中で、主に信頼し、すべてを委ね、祈りとミサを通して完全に主と一致しようとした、と教皇はピオ神父が聖痕を受けた出来事を振り返った。
教皇はピエトレルチーナの人々に、聖ピオ神父の英雄的な模範と愛徳に倣い、神の愛の道具となるように、また同神父の教会への無条件の忠実を思いつつ、自分たちも互いの交わりと平和のために努力していくように呼びかけられた。
ピエトレルチーナ訪問の後、教皇はサン・ジョヴァンニ・ロトンドに移動された。
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