2018-02-09 12:32:00

教皇、人身取引の原因となる社会の中の共犯性を指摘


教皇フランシスコは、人身取引に反対し、被害者への支援を目指す会議の参加者らとお会いになった。

「サンタ・マルタ・グループ」と呼ばれるこの会議は、2月8日に記念されたカトリック教会の「人身取引反対のための祈りと考察の日」に合わせ、バチカンで2日間の日程で開催された。

今回で5回目となるこの会議には、人身取引の問題を扱う警察関係者・研究者・政治家、被害者に司牧的支援を行なう教会関係者らが参加。

今年のテーマとして、世界各地に様々な形ではびこる人身取引と奴隷化の現状を展望した。

教皇は出席者への言葉で、会議で明らかになったように、現代の新しい奴隷制度は、わたしたちの社会の最も豊かな内部にまで広がっていることに驚かざるを得ないと話された。

「お前の兄弟はどこにいるのか」(参照:創世記4,9)という神のカインに対する叫びは、特に性的取引や、弱い立場の人々や子どもたちへの搾取をはびこらせる原因となる、社会の中の様々な形の共犯性を、わたしたちに真剣に糾明するよう呼びかけていると教皇は述べた。

人身取引との闘いは、犯罪網を壊すという目標のうちに行なわれるが、教皇は、そのためにはより多くの分野が協力し合い、コミュニケーション技術や手段の責任ある使用や、利益よりも人間を大切にする経済倫理の研究が必要と指摘された。

また、教皇は、今回の会議が人身取引の被害者の社会復帰と尊厳の復活に役立つものとなることを願われた。

苦しむ人にいつくしみの香油をもたらすあらゆる努力は、社会全体の再生と刷新に必要な一歩と述べた教皇は、人身取引に対する参加者らの日頃の取り組みに感謝を表された。

 

 

 








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