前教皇ベネディクト16世は、イタリア日刊紙の読者らに、近況と感謝を伝える短い書簡をおくられた。
この書簡はコリエーレ・デラ・セーラ紙のジャーナリスト、マッシモ・フランコ氏に宛てたもので、バチカンの修道院で引退生活をおくっておられる前教皇の最近の様子に関心を寄せる、多くの読者たちに答える形をとっている。
ベネディクト16世は、人々の愛と思いやりに感謝しながら、体力の衰えの傍らで、内的な旅を続ける生活を次のように語っている。
「親愛なるドットール・フランコ
あなたの新聞の多くの読者が、わたしがこの人生の最後の時期をどのように過ごしているかを知りたいと望んでいることに胸を打たれました。
わたしがお答えできるのは、体力のゆっくりとした衰えの中で、「家」に向かって内的な巡礼を続けているということです。
この最後の、時には少し困難な道のりにおいて、想像もしなかったほどの大きな愛と優しさにとり囲まれていることは、わたしにとって非常に大きな恵みです。
こうした意味において、あなたの新聞の読者の方々が寄せる問いも、わたしのこの歩みの一部分に寄り添ってくれるものなのです。
それゆえに、わたしとしては皆さまにただ感謝を申し上げるほかありません。すべての皆さまにわたしの祈りをお約束します。
心からのご挨拶を申し上げつつ。
ベネディクト16世」
All the contents on this site are copyrighted ©. |