2018-01-29 13:38:00

教皇、カトリック大学の改革をめぐる使徒憲章発表


教皇フランシスコは、カトリック大学の改革をめぐる使徒憲章「ヴェリターティス・ガウディウム(真理の喜び)」を発表された。

「真理の喜びは、すべての人の心を、神の光と出会い、そこに住み、それをすべての人と分かち合うまでは平安を得られないものとする、胸を焦がすほどの願望を伝えます」という言葉で始まるこの使徒憲章は、カトリック大学と教会系の学部の改革を通して、カトリック研究の刷新を推進することを目的としている。

「真理とは抽象的な概念ではなく、それはイエス、命であり、人々の光である神のみことばです。」

「教会はイエスによって、絶えず、常に新しい情熱をもって、この喜びを証しし、その使命を告げるよう促されています。」

教皇はこのように序文で記している。

人間、社会・環境の危機等に特徴づけられた、社会・文化の世界規模の変化を背景に、教会に関する学究の叡智と勇気ある刷新を行なうことは、回勅「福音の喜び」でも指摘された、新しい時代におけるより効果的な福音宣教のために急務であると教皇は述べている。

教皇は、教会をすべての神の民が参加する、「外へと向かう」宣教的なものへと変容させるために、教会の学問が単に司祭や修道者や信徒に育成の場とプロセスを与えるだけでなく、教会がイエス・キリストの出来事から現実を読み取るための一種の文化的実験室となることを希望されている。

これを「パラダイムの根本的転換」「勇気ある文化的革命」と呼ばれた教皇は、カトリック教会系の大学・学部の世界ネットワークが、イエス・キリストの福音、常に新しい場面・提案に開いた教会の生きた伝統の、パン種・塩・光となって決定的貢献をもたらすことを願われた。

また教皇は、人生・世界・人間をより良く理解するための、真の聖書解釈が今日必要とされていると述べ、そこに総括的なものではなく、霊的探究の環境、理性と信仰に基づく確信の伴う研究を求められた。

哲学と神学は、開いた精神と、ひざまずく態度をもってのみ、豊かな実りをもたらすと述べた教皇は、完結した思想に自己満足を得る神学者は凡庸であり、良い神学者・哲学者は開かれた考え、すなわち常に未完の、神と真理に開いた、常に発展する思考を持っていると記している。

教皇は、外へと向かう宣教的な教会を目指す上での、教会系の学問の刷新と貢献のために必要な基礎として、まずイエスの常に新しく、魅力的な福音が教会生活、 人類の中でより具現化していくことを観想し、隣人の聖なる偉大さを見つめ、すべての人間の中に神の発見を可能とする、普遍的兄弟愛を知ることを挙げている。

次に必要な基礎に、教皇は、真の出会いの文化として、信者はもとより信者でない人も含めた、あらゆる分野との対話を提案している。

さらに、教皇は、知識のための一致という原則のもと、大学や学科を超えた叡智と創造性ある研究を望まれている。

そして、最後に、世界中の様々な教育機関がネットワークの構築を通して、教会系の研究を育て、推進していくことを急務の課題として示された。

キリスト教神学と文化は、最前線で危険に晒されながらも、忠実に生きた時に、宣教の使命に値するものとなると述べた教皇は、カトリック系大学と学部も、今日の大きな文化的・霊的・教育的挑戦の中で、再生の長いプロセスを必要とするだろうと記している。

 

 








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