2018-01-25 11:27:00

教皇一般謁見: 教皇フランシスコの南米司牧訪問「チリーとペルー両国に神の恵み豊かならんことを」


1月24日一般謁見の席上教皇フランシスコは南米チリーおよびペルー両国の公式司牧訪問について話し、両国のために神の祝福を祈るよう願われた。

「親愛なる兄弟姉妹の皆さん、今日のこの一般謁見は2箇所分かれて行われています。今皆さんのいるこの聖ペトロ広場とは別に、パウロ6世ホールにも病気の子供たちが皆さんと一緒にこの謁見に参加しています。子供たちをこの時期の寒さにさらすことのないようにするためです。かれらは皆さんを見また皆さんもスクリーンを通じてこの子供たちを見ることができます。

わたしは二日前に南アメリカのチリーとペルー公式司牧訪問から帰ったばかりです。チリーとペルー両国に最大の賛美を送ります。両国民は素晴らしい人々です。この司牧訪問を無事に終えることができたことを心から神に感謝いたします。この訪問中、両国において様々な人々に出会い、また社会的発展に尽くすよう励ますことも出来ました。

今回の司牧訪問実現のために犠牲を惜しまず協力してくれた両国政府関係者たちまた司教たち教会関係者にも心から感謝を繰り返したいと思います。皆、大いなる配慮と寛大さをもってローマ教皇を迎えてくれました。

さらに多くの協力者たちや数多くのボランティアの人々、特に多くの若者たちに感謝いたします。両国ではそれぞれチリーで2万人、ペルーでも2万人以上の人々がボランティアとして寛大に奉仕してくれました。すばらしい人々です。

わたしのチリー訪問はその実現前にいろいろな理由から反対運動があったことを皆さんもメディアを通じて知っていたことと思います。この事実はまさしく今回のわたしの訪問のモットー「わたしはあなた方に平和を与える」というキリストの言葉の意義を際立たせることになりました。わたしたちが毎日ミサ中にこの言葉を繰り返します。キリストがその弟子たちに向けた言葉です。真の平和、それはわたしたちの救いのために死に、そして復活されたキリストだけが与えることのできる恵みです。わたしたち各人が平和を必要としているだけではなく、バラバラになっている第三次世界戦争の真っただ中にあるような今日の世界も平和を必要としているのです。どうか皆さん平和のためにともに祈りましょう。

チリにおける政府関係者たちとの出会いでは、完全なる民主義実現の歩みを続けるよう激励いたしました。その最も有効な実現方法とは人々の声に耳を傾けるということ、特に貧しい人々、若者たち、高齢者たち、移民そして土地そのものの声にも注意深く耳を傾けることだと強調したしました。

チリーにおける最初のミサは平和と正義のために捧げられました。ミサ中、主の真福八端の中から「平和ための働き人は幸いである。なぜなら神の子らと呼ばれるだろうから」という言葉が強調されました。特にこの言葉がチリ―の社会の現状の中で必要とされるからです。

ここではまた大変重要な訪問をも実現しました.首都サンチアゴの女子刑務所訪問です。そこでは幼子を腕に抱いた多くの若い母親たちにも出会いました。多くの困難の中にあっても彼女らは大きな希望の中に必死に生きておりました。わたしは彼女ら一人ひとりを完全なる更生と社会復帰のために真剣に努力するよう励ましました。わたしたちはあらゆる刑務所を完全な社会復帰という観点から考え見なければなりません。もしこの社会復帰の希望がないなら、刑務所は終わりのない拷問になってしまいます。かえってこの社会復帰のためによく機能するなら、たとえ終身刑の囚人たちでも刑務所の中から、社会のため丹に役立つ仕事を通して社会そのものに貢献することができるのです。対話の道はいつも開かれ低なければなりません。ですからどの刑務所はたえずこの社会復帰という観点に立たなければなりません。

司祭や修道者、司教たちとの出会いも持ちました。この国の教会を苦しめる傷、その中でも児童の性的虐待などの問題を決してなおざりせず真剣に取り組むように互いに確認しました。しかし同時に神への信頼の中にこの大きな試練によって教会関係者たちに清めと刷新がもたらされることをも指摘しました。

若者たち、大学生たちとの出会いでわたしはかれらに聖アルベルト・ウルタードの言葉「キリストはわたしのこの場にいたら何をなさるだろうか」を常に念頭に置くよう勧めました。人生の中で困難や問題、衝突はつきものです。それらを隠す必要はありません。問題の所在を明らかにし、何事をも忍耐強い対話をもって解決するようにしなければなりません。問題を見ぬふりすることなく正面からぶつかっていきましょう。そして話し合う機会を持つことです。衝突はこのようにして解決に向かいます。対話によって解決されるのです。

ペルー訪問のモットーは「希望によって一致して」というものでした。一致とは何もかも同じという実りのない「画一性」のことではありません。様々に異なる文化や歴史を包み込む豊かさそのものを意味します。

ペルーの政府関係者たちとの出会いで、わたしはこの国の自然、文化、霊的遺産の豊かさを指摘し高く評価しました。しかし同時にこの国に影を落とす二つの点についても注意を促しました。環境破壊と汚職の問題です。これらは人の心を破壊します。誰もこの問題から免除されません。すべての人が真剣に取り組むべき問題なのです。

ペルーにおける最初のミサは海辺の街、トゥルヒッリオでのミサでした。昨年大暴風雨によって大きな被害を被ったところです。この街でわたしはただ自然の災害に立ち向かうだけではなくもう一つの暴風、犯罪組織や教育の欠如、失業などにも勇気をもってたち向かうよう励ましました。この街は聖母マリアへの信心の篤い街です。ここで聖母賛美式を執り行い、人々の崇敬をあつめる「門の聖母」像に戴冠し「慈しみと希望の母」と命名しました。

今回の司牧訪問の最後の行事はペルーの首都リマで執り行いました。「奇跡の聖主」という聖画がまつられているペルーで最も有名な巡礼聖堂で500人ほどの観想修道会修道女らと会いました。彼女らは教会と社会全体にとって信仰と祈りの促進者です。身体全体に空気を送り込む肺のような存在です。

リマの司教座聖堂ではペルーのすべての聖人たちのお取次ぎを願いながら特別な祈りをみなとともに捧げその後司教たちとの出会いを持ちました。

ペルーの若者たちには聖人たちをキリストにあくまでも付き従った不屈の人々として示し、その模範に従うよう勧め、チリーとペルー両国民へのキリストのメッセージとして、最後のミサの典礼からから取られた「改心して福音を信じなさい」という言葉を残しました。

親愛なる兄弟姉妹の皆さんチリーとペル―両国の上に主の祝福豊かならんことを祈りましょう。

 








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