2018-01-19 18:30:00

ペルー訪問:教皇、アマゾン地域の人々との出会い


教皇フランシスコは、ペルー東南、プエルト・マルドナドで、アマゾン地域の人々との出会いを持たれた。

1月18日午後、ペルーの首都リマに到着された教皇は、翌19日より、多くの公式行事を開始された。

19日早朝、教皇は、リマの東およそ860km、ボリビア国境に近い、プエルト・マルドナドに特別機で向かわれた。

マードレ・デ・ディオス県の県都プエルト・マルドナドは、アマゾン川の2つの支流の合流地点に発達した人口約9万人の都市。熱帯雨林に囲まれ、近隣には国立公園をはじめとする貴重な自然保護地区がある。

教皇はプエルト・マルドナド市内のスポーツ・センター「コリセオ・マードレ・デ・ディオス」で、アマゾン地域に住む様々な民族の代表からなる、およそ4000人とお会いになった。

この出会いは、自然と人間の関係を見つめ、環境保護を考える、教皇の回勅「ラウダート・シ」をテーマに行われた。

教皇は、アマゾン各地から訪れた人々との出会いを喜ばれ、壮大な自然はもとより、多様な文化、精神性が息づくアマゾン地域の豊かさに感銘を表された。

一方で、教皇は、アマゾン地域とその住民が背負う深い傷について耳を傾け、教会と共にその立場に寄り添い、一致しながら、彼らの生活・環境・文化を守るための方法を考えたいと話された。

アマゾンの先住民の地域生活が今ほど脅かされたことはこれまでなかっただろうと教皇は述べ、経済利益を求める強い圧力が、アマゾンの原油・ガス・金を採掘、森林を伐採し、農業では大規模な単一栽培が行なわれている現状を注視。

他方では、住民の実際の生活を考慮せずに「自然保護」を押し進める、ある種の歪曲した政策に、アマゾンの人々の暮らしが脅かされていることにも触れられた。

教皇はこのような状況を前に、アマゾンの住民を尊重し、その文化・暮らし・権利を知り、疎外や差別を克服するために、今、一層の相互理解と対話が必要とされていると話された。

こうした中、住民自らが森林を積極的に守り、その保護により得た資源で家族の生活を養うという、希望となる動きが生まれていることに教皇は言及。「共通の家」としての自然を守るという、神から託された使命を、皆さんは生き生きと思い出させてくれると、称賛された。        

また、教皇は、この地域を脅かす「人間への搾取」にも憂慮を示され、奴隷的な労働、性的搾取などに対し、見て見ない振りをしていることはできないと訴えられた。

さらに教皇は、自発的に外部との接触を絶つ孤立民族の存在にも触れ、これらの兄弟たちを守るよう呼びかけられた。

アマゾンでは家庭が非常に大切な役割を占めてきたことについて、教皇は、「進歩」という仮面をつけたイデオロギーの植民主義にとらえられ、自分たちのアイデンティティを失ってはならないと助言された。

また、「子どもに教育を受けさせたいが、自分たちの伝統や言語を失うのが怖い」という住民たちの思いに対し、現在地元の教会が、学校や教師養成の場で進めている、多文化・多言語の教育が、地域の隅々まで行き渡るようにと、司教らを励まされた。

アマゾン地域の人々に対する教会の関心と配慮を表すものとして、2019年に「アマゾンのためのシノドス」が開催されることを紹介しながら、教皇は住民たちが司牧者や宣教者らと対話・協力しながら、アマゾンの顔を持った教会を作り上げていくことを願われた。

     








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