2017-12-21 13:32:00

教皇、バチカンの高位聖職者に降誕祭前の挨拶


教皇フランシスコは、バチカンの高位聖職者らと降誕祭前の挨拶を交換された。

12月21日、バチカン宮殿のクレメンスの間で行われた年末恒例のこの出会いには、教皇庁の諸機関の責任者や、日頃教皇の協力者として働く枢機卿や司教らが集った。

教皇は関係者への挨拶で、進行中の教皇庁の改革に照らし、今回は特に、教皇庁の外に対する関係、すなわち教皇庁と世界の国々、また地方教会や東方教会、キリスト教諸教会や諸宗教など、外部の世界との関係について考察を述べられた。

バチカンの改革について、教皇は、「ローマで改革を行なうことは、エジプトのスフィンクスを歯ブラシで磨くようなもの」という、フレドリック・フランソワ・グザヴィエ・ドゥ・メロード大司教(ブリュッセル1820-ローマ1874)の言葉を引用。

教皇庁は古い歴史を持つ、複雑で、異なる様々な文化・言語・考え方を持つ人々からなる組織であり、改革の目標に到達するには、多くの忍耐と、努力、繊細さを必要とすると話された。

教皇庁は、教皇と結びつきながら、福音を述べ伝える使命を持ち、その意味で外に開いたものであり、自分の世界だけに閉じこもるならば、自己崩壊を免れ得ないと教皇は警告。

教皇庁関係者は、善と教会への奉仕に招かれており、「司教の耳と口、心と魂」としての助祭的精神を持って、教皇の権威のもと、教会に奉仕すると同時に、外部の世界にも関心を持っていかなければならないと説かれた。

教皇は、教皇庁の諸機関は「感度の高いアンテナ」であるべきと述べ、教皇や責任者らの意図を忠実に伝える役割と同時に、教会や世界の声を集め教皇に伝える役割をも担っていると語られた。

世界の国々との関係において、誠実で絶え間ない研究をもって、 教皇庁を橋を築く者、平和と対話の構築者としていくことは、バチカンの外交の本質的役割と教皇は強調。

バチカンの外交において唯一大切なことは、あらゆる世俗的・物質的関心から自由であることと話された。

教皇庁と各教区や地方教会との関係を重要視される教皇は、これらの関係において協力と信頼を育むように、また東方典礼の教会とローマとの関係が相互の霊的・典礼的豊かさをもたらすものとなるよう願われた。

教皇は来年10月バチカンで開催される若者と召命をテーマにしたシノドスに言及。この機会を通し、若者たちはもとより、世代、家族、社会間の複雑な関係にも目を向けるよう勧められた。

 キリスト教諸教会との対話について、教皇はキリスト者の一致は共に歩みながら作り出していくものと述べ、キリスト者をまだ分け隔てている神学的・教会的違いは、共に歩む過程においてのみ克服することができると話された。

バチカンと諸宗教との関係においては、教皇は、「対立の非文明ではなく、出会いの文明を」と説かれた。

教皇は、「危機感の無い信仰は、危機にある信仰」と話し、頭だけの信仰、生ぬるい信仰は、まぐさ桶の中に置かれた神を迎えることによってのみ、心も魂も精神をも巻き込んだものとなるだろうと語られた。

 








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