2017-12-02 16:55:00

教皇、アジア2カ国訪問を終了、バングラデシュの若者たちに「意見の異なる人々をも受け入れよう」


教皇フランシスコは、訪問先のバングラデシュで同国のカトリック教会関係者と交流を行われた。

11月27日に始まった、ミャンマーとバングラデシュへの教皇のアジア2カ国訪問は、12月2日で最終日を迎えた。

同日、教皇はバングラデシュの首都ダッカで、教会関係者との様々な行事を通し、同国のカトリック教会の姿に触れた。

午前、教皇はテジャオン地区の「マザー・テレサの家」を訪問。関係者に案内され、施設を見学された。

同所は、ダッカで神の愛の宣教者会が運営する施設の中で最も小さいものであるが、マザー・テレサは、ダッカを訪れる際にここに滞在していた。

教皇はこの「家」で支援を受けているお年寄りや子どもたちとお会いになり、子どもたちのコーラスに耳を傾けられた。

続いて、教皇は近接の聖ロザリオ教会で、バングラデシュの司祭、修道者、神学生らとの出会いを持たれた。教皇はまた、聖ロザリオ教会に付属する墓地を訪れ、ここに眠る多くの修道者たちのために祈られた。

同日午後、教皇はダッカ市内のノートルダム・カレッジに向かわれた、

カレッジの運動場では、若い信者たちが歌やダンスを交え、熱心に教皇を歓迎した。

教皇はこの集いで、同国の青少年たちが生きる現実や、希望、信仰の証しに耳を傾けられた。そして、教皇はバングラデシュの未来を担う若者たちに、次のように力強い励ましの言葉をおくられた。

「親愛なる若者の皆さん、わたしはあなたたちと出会うたびにますます若返るのを感じます。

皆さんはいつも熱意に燃え、チャレンジ精神に絶えず満ち溢れています。

恐れることなく常に前進しなさい。特に多くの問題や悲しみに押しつぶされそうな時、神の助けや導きがないように思われる時でも、常に前向きに進んで行きなさい。

目的無しに、さ迷うことがあってはなりません。 かえって正しい道をいつも選び取りなさい。

そのためには信仰から生まれる、あの叡智が役立ちます。神はわたしたちがいつもその聖なる計画を見分けることができるように、わたしたちの中に特別なソフトを仕込んでくれたかのようです。神の声に耳を傾けながら、このソフトを絶えず更新していかなければなりません。

人生は、神がわたしたちに託した、一つの方向性を持っています。それは、神に信頼を置いた、わたしたちの両親や祖父母たちの残してくれた叡智でもあります。これを得るためには、わたしたちも世界に目を向け、その現状や問題を神の目をもって見なければなりません。また他人の声に神の耳をもって聞き入る必要もあります。

それだけではなく、さらに全ての人々を神の心をもって愛し、物事を神の価値観をもって判断しなければなりません。

神の叡智は、ただ利己主義をもたらすだけの、幸福への偽の約束を払い去ってくれます。そして、わたしたちとは異なる考えや異なる行動の人々をも、受けいれるよう助けてくれるのです。

決して自分自身の小さな世界に閉じこもってはなりません。自分の小さな世界に閉じ込もり、自分自身だけに身をかがめ、自分と同じ考えのものだけを受け入れるならば、いかなる民族も宗教も社会も、いずれは「自分たちだけが正しく、他の人々は間違っている」という、傲慢な考えに陥ります。

神の叡智は、常に自分自身を他者に向けて開いていくことです。

今日、この集いに、カトリックの若者ばかりではなく、他の宗教の皆さんも来てくれたことをわたしは大変うれしく思います。これは、たとえ宗教が異なっていても、お互いに手を差し伸べ合い、一致と和合の精神を促進しようとの、皆さんの固い決心の表れです。

たとえ互いに異なっていても、共通善のために一致して働くことを、わたしは皆さんに心から勧め、それを励ましたいと思います」。

若者たちとの出会いによってバングラデシュでの行事を締めくくられた教皇は、アジア2カ国歴訪を終了、現地時間の同日夕方、ダッカを後にし、ローマへの帰途につかれた。

 








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