2017-10-13 13:35:00

日本とバチカン国交樹立75周年:記念ミサとシンポジウム


日本とバチカン国交樹立75周年を記念し、ローマで記念ミサとシンポジウムが行われた。

日本とバチカンの間に完全な外交関係が成立したのは1942年のこと。今年はそれから75年の節目を迎える。

正式な国交樹立に先立ち、1919年には、教皇使節が日本に派遣されている。さらに日本とカトリック教会との最初の出会いを顧みれば、イエズス会の聖フランシスコ・ザビエルが来日した1549年にまでさかのぼる。

日本とバチカン国交樹立75周年を記念し、日本司教協議会の主催で、10月11日、ローマ市内のジェズ教会においてミサがとり行われた。

このミサは、バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿をはじめ、日本司教団代表司教ら、また日本から訪れたおよそ150人の巡礼者、ローマの日本人カトリック共同体らが参列し、サン・ピエトロ大聖堂聖歌隊のラテン語聖歌や日本の歌の美しい調べと共に、荘厳に捧げられた。

ミサを司式したパロリン枢機卿は、その説教で、ザビエルの宣教に始まる日本とカトリック教会との交流、天正遣欧少年使節など日本からのローマ訪問、その直後に長く続いたキリスト教禁教の時代を振り返りつつ、その中でも連綿と受け継がれた信仰、殉教者たちの精神に目を注いだ。

そして、国交樹立から今日に至るまでの歩みを感謝すると共に、日本とバチカン関係のさらなる発展、教会の社会における貢献を祈った。

ミサの終わりには、日本カトリック司教協議会会長で、長崎大司教区の 髙見三明大司教が感謝の言葉を述べた。

翌10月12日には、ローマの教皇庁立グレゴリアン大学で、日本・バチカン国交樹立75周年を機としたシンポジウムが開かれた。

このシンポジウムの開催に当たり、グレゴリアン大学のヌノ・ダ・シルバ・ゴンサルベス学長、中村芳夫駐バチカン日本大使、バチカン外務局長ポール・リチャード・ギャラガー大司教が挨拶を述べた。

続くシンポジウムでは、グレゴリアン大学教会法学部長・菅原裕二神父の司会によって、上智大学文学部史学科教授・川村信三神父の「東洋の奇跡の歴史」、グレゴリアン大学教会史学部教授・デリオ・メンドンサ神父の「教皇庁と日本の関係の始まり」、ボア・ノヴァ宣教会・アデリーノ・アシェンソ神父の「遠藤周作と西洋と東洋の教会、『沈黙』における葛藤と和解」をテーマとした発表が行なわれた。

参加者らは日本の教会史、そこに息づく様々な日本の文化と精神に興味深く聞き入っていた。

 








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