2017-10-06 12:59:00

教皇「デジタル環境の中で子どもたちの尊厳を守ろう」


教皇フランシスコは、デジタル環境の中の子どもたちの尊厳の保護をテーマにした会議の参加者とお会いになった。

ローマの教皇庁立グレゴリアン大学で、10月3日から6日まで、「デジタル世界における未成年者の尊厳」をテーマに国際会議が開催された。

会議の最終日、参加者らはバチカンで教皇との出会いを持ち、講話に耳を傾けた。

教皇は関係者への言葉で、デジタル世界において未成年者の尊厳をより効果的に守ることは、今日特有の新しく重大な課題であると述べられた。

わたしたちが生きるデジタル世界は、昔ならば想像もつかない新しい世界であり、それは数十年でわたしたちの生活環境や、コミュニケーション手段を変え、わたしたちの考え方やアイデンティティーにまで影響を及ぼすようになったと教皇は指摘。

わたしたちはその世界が開く可能性に魅了される一方で、その発展の速さと共に生じる様々な新しい問題に恐れを抱いていると語られた。

教皇は、こうした状況の中で特に青少年の尊厳と、健全な発育、その喜びと希望を守ることを、人類家族の未来のための最も重要な挑戦として示された。             

今日、インターネット使用者の4分の1以上が未成年である事実を捉えながら、彼らはその世界に何を見るのか、またインターネットの世界で力を持つ人々はそれをどう認識しているのかと、教皇は問われた。

わたしたちはここ数年、未成年の性的虐待から目を背けてきた重大な過ちから学んだように、インターネットの世界で子どもたちにいったい何が起きているのか、その現実を正視しなければならないと強調された。

そして、教皇はインターネットに広がる深刻な現象として、過激な性的イメージや、暴力、いじめ、またインターネット環境のもとで行われる人身売買や未成年の搾取など、憂慮すべき闇の側面を示された。

これらの問題を前に、わたしたちは戦慄すると同時に、それに対応するための方向性を見出せないでいると教皇は述べ、その原因として、デジタル環境が国境やあらゆる年齢層を超えて世界に広がり、いかなる国ももはや単独ではその様相と発展をコントロールできないこと、またその発展の速さが高齢者たちをこの環境から締め出し、世代間の対話をほとんど不可能にすることで、成熟した助言・視点を伝えることができないでいることなどを挙げられた。

しかしながら、教皇は、むしろこうした状況において、互いが協力し合い、問題への効果的対応のための正しい道と態度を模索していくことが必要と呼びかけられた。

教皇は、デジタル界における未成年の問題を考える際の注意として、子どもたちがこの現象から受ける被害を決して少なく見積もらないこと、フィルタリングなどの技術的な対応だけでは十分でなく、広く多様な側面における倫理の力が必要であることを強調。

さらに、インターネットの世界は無限に自由であるとの認識を改め、違法なこと、犯罪的なこと、未成年を搾取し、尊厳を侵害することなどに対して、世界的レベルの協力をもって確固として対応しなければならないと語った。

子どもたちの眼差しはわたしたちの良心に呼びかけていると述べた教皇は、子どもたちが微笑みと信頼と希望をもってわたしたちを見つめ、わたしたちが子どもたちの目を勇気と喜びをもって見つめることができるよう、一緒に取り組んでいこうと関係者らにアピールされた。

 

 

 








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