教皇フランシスコは、教皇庁生命アカデミーの関係者とお会いになった。
同アカデミー(議長:ヴィンチェンツォ・パイア大司教)は、「いのちに寄り添う。テクノロジー時代の新しい責任」をテーマに、定例総会を10月5日から7日までバチカンのシノドスホールで開催している。
会議初日、総会に出席した生命アカデミーのメンバーらを前に講話された教皇は、今日の生命科学技術の発展の中で、ヒューマニズム全体に投げ掛けられた時代的挑戦と向かい合うためには、生命の根源とその目的地を照らす神の御言葉から再出発しなければならないと説かれた。
テクノロジーの時代における生命の問題を、最も不可欠で緊急な課題と認識される教皇は、人間の至上性を中心に据えることにこだわる文化の危険に対し、すべての命、生命の初めから終わりまでそのすべてを愛することを教える、神の創造と贖いの神学が、今日の世界を歩む教会に非常に必要であると話された。
教皇は、男性と女性の社会における重要な責任に言及。男性と女性は互いに愛を語り合うだけでなく、神の愛の光のもとに人間の共存が実現するためになすべきことを、愛をもって話し合うよう招かれていると述べられた。
そして、女性に対しこれまで残念なことに与えられてきた従属的なあり方を、決定的に捨て去ると共に、新たなアイデンティティーと違いを持った文化から始めなければならないと語られた。
これについて、教皇は「中性のユートピア」は、両性の違いに基づく人間の尊厳と、命を生み伝える人間的性質をも取り去ってしまうと警告。
性の選択が完全に自由であるかのような、性差をめぐっての生物学的・心理的な扱いは、男女の協力関係を育み、創造的で、豊かなものとするエネルギーの源を壊してしまうとも述べられた。
神のいつくしみにおける信仰の証しとして、人間の生命をそのすべての段階において尊重し、大切にすること、それはヒューマニズムの麻痺と失墜を防ぐ土塁となるだろうと教皇は説かれた。
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