2017-08-25 17:04:00

パロリン枢機卿:ロシア訪問を終えて


バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿は、訪問先のロシアから帰国し、教皇庁広報事務局のインタビューで訪問の印象を語った。

パロリン枢機卿は、ロシア当局の招きに応え、8月21日から24日まで、同国を公式訪問。プーチン大統領、ラブロフ外相、またロシア正教会・モスクワ総主教キリル、同総主教庁渉外局長イラリオン府主教と会見した。

同枢機卿は、ロシア訪問の全体の印象を、本質的にポジティブなものと述べた。

ロシアにおける要人らとの会見には、和やかで、互いに耳を傾ける、尊重の雰囲気があり、これらの出会いは意味ある、前向きなものであったと語った。

また、ロシアのカトリック共同体と交流する機会を持ち、特に現地の司教らとの対話を通して、ロシアのカトリック教会の現実、その喜びや希望、また課題や困難を近くから知ることができたと述べ、こうしたことも含め、この訪問は、実のある建設的なものであったと要約できると話した。

パロリン枢機卿は、帰国後、教皇フランシスコにロシア訪問の内容と成果を報告。現地のカトリック共同体、またプーチン大統領や、キリル総主教からの挨拶を伝えた。すべての対話の機会を非常に大切にされる教皇は、訪問の前向きな成果を受け、満足を表されたという。

キリル総主教との出会いでは、教皇と総主教のハバナでの会見に代表されるように、ロシア正教会とカトリック教会に育まれつつある関係を印象付ける、新しい空気を感じることができたと、同枢機卿は述べた。

パロリン枢機卿は、イタリアのバーリから聖ニコラウスの聖遺物がモスクワとサンクトペテルブルクを巡回した際、普段は教会に行かない人も含め、非常に多くの市民が聖遺物を訪問し、人々の熱心な宗教心に目を見張ったという、正教会関係者の話を紹介。この行事がいかに多くの人の信仰心を掻き立てたかを知ったと述べた。

会談では、尊重と親睦の中にも、両教会のデリケートな問題にも触れたが、互いに問題と向き合い、解決を求めようとする前向きな姿勢が生まれたように思うと話した。

パロリン枢機卿は、昨年ウクライナを訪問している。同枢機卿は、今回のロシア訪問において、ウクライナ問題に関する進展は見られず、現段階でそれを語るのは尚早と述べた。

ウクライナ問題は、教皇庁にとって大きな関心であることには変わりないと述べつつ、特に人道的観点をはじめ、状況を正しい方向に導くための、より一層の努力が必要とされていると話した。

プーチン大統領との会談では、両国関係はもとより、シリアをはじめとする中東問題や、キリスト教徒や他の少数派の宗教共同体に対する迫害、ウクライナ、ベネズエラなどのテーマに言及。同枢機卿はこの席で、ロシアは国際的に大きな役割を負っており、平和のために果たすべきその責任を強調したと述べた。

ロシアのカトリック共同体とのミサは、平日にも関わらず大聖堂は信者で満ちあふれ、それは彼らの熱心な信仰、教皇への愛、普遍の教会への帰属を、真摯に表すものだったと、パロリン枢機卿はその感動を振り返った。








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