2017-08-21 16:19:00

来年度の「世界移民・難民の日」に教皇メッセージ


教皇フランシスコは、来年度の「世界移民・難民の日」に向けてメッセージを発表された。
 
2018年度、カトリック教会の「世界移民・難民の日」は、1月14日に記念される。
 
これに先立ち、教皇は「移民と難民に、受け入れ、保護、支援、統合を」をタイトルとする、メッセージを記された。
 
この中で教皇は、「戦争や貧困から逃げる多くの移民の悲しい状況」を「時代の一つのしるし」と述べられた。
 
そして、マタイ福音書25章35-43節を思い起こしつつ、「あらゆる旅人がわたしたちの扉を叩くたびに、それはイエス・キリストとの出会いの機会になる」と説かれた。
 
教皇は、この移民・難民現象を前に、カトリック教会の社会教説の原則に根差した4つの態度、「受け入れる」「保護する」「支援する」「統合する」を示された。
 
「受け入れる」について教皇は、「移民・難民に対し、安全で法に則った受け入れの可能性をより広げることは急務」と強調。
 
特に人道上の理由による査証と、家族の呼び寄せに対する認可を、より簡略にすることを望まれた。
 
また、最も弱い立場にある難民のための人道回廊を広げる必要を挙げる一方で、基本的人権が保証されない国に向けての集団追放を非難された。
 
「保護する」ことにおいて教皇は、移民・難民の「保護」は彼らの祖国から始まり、受け入れ国において続けられるべきと述べている。
 
教皇は、移民・難民たちがそれぞれの能力や特技を活かすために、彼らが受け入れ国内の移動の自由や、就労の可能性を持てるよう願われた。
 
さらに、未成年の移民の、勉強する権利と、家族と共に過ごせる権利を忘れないよう促された。
 
移民を「支援する」上で、教皇はすべての移民が人間として自分自身を実現できる環境を整える必要を指摘。
 
社会や仕事を通して生活に溶け込ませる試みを励まされた。
 
移民を社会に「統合する」ことは、彼らの文化的なアイデンティティーを断ち切ったり、忘れさせることではないと教皇は注意を促し、社会への統合は、時間をかけたプロセスが必要と述べている。
 
教皇は「出会いの文化」の推進を改めて希望されると共に、教会のこの分野における第一線での取り組みを約束された。







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