教皇フランシスコは、6月2日、イタリアの少年少女たちと交流された。
この日、バチカンのパウロ6世ホールには、キリスト教教育体験「カヴァリエーリ」に参加するイタリア全国のカトリックの青少年と、保護者、指導者ら、およそ6千人が詰め掛けた。
教皇はこの集いで、若者たちの声に耳を傾けると共に、原稿を用いることなく、参加者らに直接語りかけた。
代表の一人の少女は、次の新学期に中学から高校に進級するにあたり、仲の良い友人たちと離れるのが怖い、新しい環境にいる自分を想像できないと、その思いを述べた。
教皇は少女の不安に対し、「人生は、出会いと別れの連続です。出会いと別れを繰り返しながら、人は成長していくのです」と話された。
「もし、よりよい形で別れることを学べないのなら、新しい人たちとの出会いも学べないでしょう。あなたは今の同級生たちと会ったり、話したりすることはあっても、彼らもいつまでも同じではありません。でも、新しい仲間たちがあなたを待っています。」
「これは一つの挑戦です。何かを置き去る代わりに、新しいことに出会うのです。わたしたちは人生の中でこの歩みに慣れなければなりません。」
「人が成長を拒む時、その前には塀がそびえています。塀の向こうに何があるか知ることはできません。でも、人が外に出て、野原に行ったと思ってください。何が見えますか。すべてが見えるでしょう。そこには地平線が見えるのです。わたしたちは人生を見る時、常に遠くを、地の彼方を見つめなければなりません。」
教皇はこのように少女を励まされた。
もう一人の少女は、世の中を少しでも変えるために、自分たちに何ができるかと質問した。
教皇はこの問いに、手を開くこと、心を開くことと答えられた。
「あなたが手に二つの飴をもっている時、そこに友達がやって来たらどうしますか。多くの人は、一つを彼にあげて、一つは自分が食べると言うでしょう。でも、二つともポケットに隠しておいて、友達が帰った後で、一人で全部食べようという人もいます。」
「分かち合うという、最初の態度はよい態度です。もう一つの、全部自分がという態度は、自己中心的な態度です。その時、手はどうなっていますか。閉じています。世の中を変えるために閉じた手は要りません。開いた手が必要です。」
「手は心の状態を表します。閉じた心ではいけません。世の中を変えるには、心を開くことから始めなければなりません。」
教皇はこの出会いを通して、少年少女たちに、寛大な心をもって分かち合うこと、相手に耳を傾けること、自分にひどいことをした人のためにも祈ることなどを教え、開いた心で前に進んでいくよう励まされた。
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