5月12日、教皇フランシスコは、ポルトガルの聖母巡礼地ファティマで、祈りの時を持たれた。
ローマ教皇のファティマ訪問は、福者パウロ6世が1967年、聖母出現50年を機に行った巡礼に始まる。
聖ヨハネ・パウロ2世は、ご自身の狙撃事件(1981年5月13日)の翌年1982年に行った巡礼に続き、1991年と、そしてファティマの牧童フランシスコ・マルトとジャシンタ・マルトの列福式が行われた2000年にも同地を訪問している。
また、ベネディクト16世は、2010年、2人の牧童の列福10年を記念してファティマを巡礼した。
聖母出現100年を記念するこの訪問で、教皇フランシスコはファティマを巡礼した4人目の教皇となった。
同日夕方、ファティマに到着された教皇は、聖域を埋め尽くす大勢の信者らに迎えられた。教皇は特別車「パパ・モービル」で広場を一巡し、人々の熱心な歓迎に応えられた。
ファティマ巡礼地は、ロザリオの聖母に捧げられたネオゴシック様式の大聖堂を中心に、壮大な広場、出現の礼拝堂、至聖三位一体に捧げた新しいバシリカ、黙想の家などによって構成される。
大聖堂の手前にある「出現の礼拝堂」は、1917年5月13日、3人の牧童、ルチア(当時10歳)、フランシスコ(当時9歳)、ジャシンタ(当時7歳)の前に、聖母が現れた場所に建てられたもの。
教皇は「出現の礼拝堂」に赴き、聖母像の前で沈黙の祈りを持たれた。
続いて、教皇はファティマの聖母に特別な祈りを捧げられた。
「サルベ・レジーナ、ファティマの聖母、汚れ無きみ心の聖母よ、あなたは拠り所、神へと導く道です」と教皇は呼びかけ、ご自分は「光と、平和、希望の巡礼者」として、また「皆の足を洗い、同じ食卓に一致するための、預言者・使者」として、この地を訪れたと述べられた。
教皇は光に包まれた「いつくしみの母」「白衣の貴婦人」が、この地で神のいつくしみのご計画を100年にわたりすべての人に示し続けたことを称えながら、聖母の前で、「白い衣の司教」(教皇)として、「洗礼の日の白衣に包まれて、神の中に生きたいと願うすべての信者たち」を心に留めて祈られた。
そして、福者フランシスコ、福者ジャシンタ、また福音のために自らを捧げた人々の模範に倣い、あらゆる地に赴き、壁を打ち崩し、すべての隔てを乗り越えながら、辺境へと向かい、神の正義と平和を伝えに行こうと呼びかけられた。
祈りの後、教皇は銀の花入れに挿した金の薔薇を聖母像の足元に捧げられた。
さらに夜がふけてから、教皇は再び広場に戻り、ろうそくの祝別を行われた。会場は巡礼者たちの手にするろうそくの光で、幻想的に照らされた。
教皇は「いつくしみ」をテーマに、人々の黙想を助ける説教を行われた。
マリアを霊的生活の学び舎、その優しさをもって神の赦しを取り次ぐ方として示された教皇は、誰もがマリアと共に、「常に赦し、すべてを赦される神」のいつくしみのしるしとなれると説かれた。
説教に次いでロザリオの祈りがとり行われた。ろうそくの火が一面に瞬く広場で、教皇と代表の人々の先唱と、巡礼者らの祈りが響いた。
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