2016-12-09 13:54:00

無原罪の聖母:教皇、スペイン広場で祈り「マリアの汚れなき眼差しを」


「無原罪の聖マリア」の大祝日を迎えた12月8日、教皇フランシスコはローマ市内のスペイン広場で、無原罪の聖母像に祈りと花を捧げられた。

この祭日は、「至聖なるおとめマリアが、その存在の最初の瞬間において、全能の神からの唯一無比の恩恵の賜物と特典によって、人類の救い主イエス・キリストの功徳を前もって考慮に入れ、原罪の汚れから完全に守られた」ことを記念する。

無原罪の聖母に対する崇敬は古くにさかのぼり、1854年12月8日、福者教皇ピオ9世はこれを信仰箇条(キリスト者が信じるべき教え)として宣言した。

ローマのスペイン広場とつながるミニャネッリ広場には、この教義宣言を記念した無原罪の聖母のモニュメントが立っている。

毎年、無原罪の聖マリアの祭日には、朝一番にローマ市消防団が高さおよそ30メートルの位置にある聖母像の腕に花輪をかけることに始まり、地元の行政・商工関係者、民間団体、信心会などが次々と献花を行う。

夕刻のスペイン広場に到着された教皇は、無原罪の聖母像を見上げつつ、「われらが母、無原罪のマリアよ、あなたの祝い日に、わたしはあなたに託されたすべての子らと共にあなたのもとを訪れます。ローマの街と全世界の人々を祝福し、守ってください」と祈られた。

教皇は、中でも特に、見捨てられ、身寄りがなく、搾取される恐れのある子どもたち、内外に多くの問題を抱えて苦しむ家族、不当な環境で働く労働者、また失業者たちを聖母の保護に託された。

そして、聖母のように、人々や物事を尊重を持って見つめる眼差し、人を私心なく見返りを求めず愛する心、貧しい人々や病者、疎外された人々に優しさをもって寄添う手、人生を迷い助けを必要とする人々に会いに行くための足を、汚れなきマリアに願われた。

祈りに次いで、大きく盛られた白バラに、バチカンの国旗色である白と黄色のリボンをかけた花かごが、教皇の祝別を受け、聖母像の足元に運ばれた。

この日は、イタリアの国民祝日ということもあり、教皇の献花式には市民や観光客が大勢詰めかけた。教皇は式の後、最前列のお年寄りや病者たち一人ひとりに祝福を与えられ、人々に挨拶しながら広場を後にされた。

教皇は続いて、ローマ4大バシリカの一つである聖マリア大聖堂を訪問。パオリーナ礼拝堂の「サルス・ポプリ・ロマーニ(ローマ市民の救い)」の聖母画の前で祈りの時を持たれ、聖母に捧げる伝統行事を終えられた。

 








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