2016-11-01 15:42:00

スウェーデン訪問:教皇、マルメで「諸聖人」の祭日のミサ


スウェーデンを訪問した教皇フランシスコは、11月1日、マルメの競技場でミサを捧げられた。

教皇は、10月31日から2日間の日程でスウェーデンを訪問された。初日は、ルンドでルター派世界連盟主催のマルチン・ルター宗教改革500年を記念するエキュメニカルな祈りに出席、さらにマルメで諸キリスト教教会代表者らによる集いに参加された。

スウェーデン訪問の2日目、カトリック教会の典礼暦で「諸聖人」の大祝日を記念したこの日、教皇は同国や周辺国のカトリック信者たちと共にミサを司式された。

同国ではルター派に属するスウェーデン国教会の信者が大多数を占め、カトリック信者は全人口のおよそ1.15パーセントと少数派である。小さな共同体ではあるが、現在は東欧、南米、中東などからの移民による外国人信者が増え、わずかながら増加傾向にある。

スウェーデンの教会管轄区分はストックホルムの1教区のみで、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランド各国の教区と共に、スカンジナビア司教協議会を構成している。

この日とり行われた教皇ミサには、北欧諸国のカトリック教会の聖職者、修道者、信者らおよそ1万5千人が集い、「諸聖人」の祭日を共に喜びをもって迎えた。

ミサの説教で教皇は、諸聖人の日とは、歴史上列聖された人々だけでなく、信仰と愛に満ちて素朴で目立たない生活をおくった、わたしたちの身近な人々をも含めた数多くの兄弟たちを思い起こす日、いわば聖性のお祭りであると話された。

その聖性とは、必ずしも大きな事業や素晴らしい成功によって世に示されたものでなくとも、毎日をキリスト者の自覚を持って生き、神と兄弟たちへの愛として表された聖性であると教皇は説明された。

教皇は聖人たちの特徴として、彼らが「真に幸せである」ことを指摘。聖人たちは神の愛を源泉とする真の幸福に魂の底からあふれ、それゆえに彼らは「幸いなる者」と呼ばれると述べられた。

イエスの「山上の垂訓」は、聖人たちの道、目標であったように、それは今日のわたしたちをも主の足跡に従うようにと招いていると、教皇は呼びかけられた。

イエスの山上の垂訓の中でも、教皇は特に「柔和な人々は幸いである」という教えを挙げ、「わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしに学びなさい」(マタイ11,29)とイエスご自身が述べているように、柔和さとはイエスの精神的肖像であり、その愛の豊かさを啓示するものと話された。

柔和とは、イエスに近づく生き方であり、わたしたちを隔て、対立させるすべてを置いて、皆を一致させる力であると教皇は述べ、スウェーデンが生んだ聖マリア・エリザベス・ハッセルブラッドや聖ビルジッタ修道女などの聖人たちの、キリスト者間の絆を強め、その一致のために祈り働いた生き方を振り返られた。

山上の垂訓は、言わばキリスト者の身分証明書であると述べた教皇は、今日の世界の様々な苦しみ、新しい状況に、イエスの精神と愛をもって立ち向かうよう信者らを招かれた。

そして、信仰をもって悪に耐え、疎外された人に手を差し伸べ、神を知らない人々をその存在に気付かせ、共通の家としての自然環境を守り、キリスト者の完全な一致のために祈り働くことで、神のいつくしみと優しさを人々に伝えることができるようにと願われた。

教皇は皆が聖性を目指せるよう諸聖人たちの助けを祈ると共に、すべてのキリスト者の一致を目指す対話への努力を天の元后マリアに託された。

このミサによってスウェーデン訪問を終了された教皇は、同日午後、ローマに戻られた。

 

 








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