2016-10-31 18:11:00

スウェーデン訪問:教皇、ルンドでルーテル教会関係者とエキュメニカルな祈り


教皇フランシスコは、10月31日、訪問先のスウェーデン・ルンドでルター派関係者と共にエキュメニカルな祈りの集いに参加された。

この集いには、ルター派世界連盟(LWF)会長、ムニブ・ヨウナン監督をはじめとする世界各国のルーテル教会関係者、スウェーデン国教会の主席大監督アンシェ・ヤケレン師、またカトリック教会側からは、教皇フランシスコはじめ、教皇庁キリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿、ストックホルム司教のアンデルス・アルボレリウス師らが出席した。

ルンドのルーテル教会の大聖堂で行われたこの行事は、1947年、同市にルター派世界連盟が設立されて70年と共に、マルチン・ルターが1517年、宗教改革のきっかけとなった「95ヶ条の論題」を発表して500年を記念するもの。また、同時に、カトリック教会とルター派の対話が1967年に開始されて以来、50年を記念するものでもある。

祈りの集いでは、ルター派とカトリック教会の関係者双方が参加し、み言葉に共に耳を傾け、共同の祈りを捧げた。

教皇は集いの言葉で、「わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている」(ヨハネ15,4)というイエスの最後の晩餐での言葉を引用。この中にイエスの皆に対する愛と、イエスを信じるすべての人の一致への思いを観想された。

そして、イエスはまことのぶどうの木で、その弟子たちは枝であり、イエスが御父と結ばれているように、わたしたちも実を結ぶためにイエスに結ばれていなければならないと話された。

教皇はこの機会に、命を得るためにイエスのもとに一致するというキリスト者の共通の願いを示すと共に、分裂を前に諦めることなく、唯一の主を信じる者たちの和解の希望を保ってきた諸教会の多くの兄弟たちの働きを神に感謝したいと述べられた。

カトリックとルター派は共に和解の道を歩み始めたと、ルター派世界連盟とカトリック教会の50年にわたるエキュメニカル対話を振り返られた教皇は、この機会を、相互理解を妨げていた対立や誤解を乗り越えて、新たに関係を修復するチャンスとして示された。

教皇はまた、「わたしを離れては、あなたがたは何もできない」 (ヨハネ 15,5)と言うイエスの言葉を提示。イエスこそがわたしたちを支え、より目に見える一致の努力を励ます方であると述べられた。

分裂は大きな苦しみと無理解の源となったが、イエス無しでは何もできないということをわたしたちに悟らせ、わたしたちの信仰のいくつかの側面を理解させる助けとなったと教皇は指摘。

特に宗教改革が教会生活における聖書の中心性に光を当てることに貢献したことを感謝をもって認められた。

さらに、ルターはいつくしみ深い神を、受肉し、死に、復活したイエス・キリストの福音の中に見出したと述べた教皇は、すべては神の恵みによるという概念は、人間のどのような反応よりも先に、神は常に最初に働きかけられるということをわたしたちに思い出させてくれたと話された。

イエスはわたしたちの御父への仲介者となって、「世が信じるようになるために」(ヨハネ 17,21)、わたしたちが一つとなることを祈っておられると話された教皇は、神のいつくしみの力を世が信じるようになるために、わたしたちは一致の恵みを忍耐強く祈らなければならないと強調。

神の生きた手足となって神のもとに一致するための助け、み言葉を世界に共にもたらすための恵み、神の優しさといつくしみを共に祈り求めようと呼びかけられた。

祈りの終了後、教皇フランシスコは、ルター派世界連盟(LWF)会長、ムニブ・ヨウナン監督と並んで、共同声明に署名された。

この声明では、カトリックとルター派の50年の対話の歩みを評価すると共に、一方で両者の間で教会の目に見える一致を傷つけることがあったことを遺憾としている。

また、特に宗教の名による過去・現在のあらゆる憎悪や暴力に拒否を表明。

そして、カトリックとルター派がイエス・キリストの福音を共に証しすることができるよう祈っている。

 








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