2016-10-15 17:26:00

教皇:「高齢者たちは教会と社会の中でなくてはならない存在」


10月15日、教皇フランシスコはバチカン内パウロ6世ホールで、約7千人の老人たちとの出会いを持たれた。使い捨ての傾向の強い今日の社会にあって、老人たちが、非生産者として邪魔者扱いされるのはなくその真の価値を見つめ生命の文化の真の証人たちとして認める、見かけだけを重要視するのではない社会を構築すべきと説かれた。

「兄弟姉妹の皆さん、わたしたちは老人たちを非生産者として邪魔者扱いする使い捨て文化に対抗しなければなりません。わたし自身もそのお仲間であるいわゆる第三世代の人々をあらゆる分野で援助する必要があります。老人たちの尊厳は常に評価され擁護されるべきです。

政治家たち、宗教、文化、教育の責任者、全ての善意の人々は誰をも包含する心の広い社会を実現するよう努力するよう招かれています。

使い捨て文化がこれ以上広がるのを阻止しなければなりません。

昔、子供の頃、おばあさんからひとつの家庭で起こったことの話を聞いたことがあります。ある家庭でおじいさんが年取って弱りはて、他の家族たちと一緒に食事もするのも困難になったので、家の主人がおじいさんを別の部屋に追いやってしまったそうです。ところが孫たちが父親におじいさんを家族と一緒にしてくれと願い、家族はいつも一つでなければいけないことを大人たちに理解させたそうです。

そうです確かに子供たちはおじいさんおばあさんに大人たちよりももっと強く結ばれた存在です。そして小さな子供たちこそお年寄りが彼らの生活経験からまたその生き方によって多くのことをよりよく説明できることを知っているのです。異なる世代の間に強い絆を築くことは大変大切なことです。

民族の健全な未来のために若者たちと老人たちの出会いは不可欠です。若者たちは前進する民族の生命力そのものです。そして老人たちは過去の記憶と叡智によってその生命力をますます強化するのです。

おじいさんおばあさんは機会あるごとのお孫さんたちとしばしばお話しするようにしてください。聖書の中にも若者と老人たちの素晴らしい出会いが記録されています。聖ヨゼフと聖マリアの若夫婦が幼子イエスを神殿へ奉献のために連れて行った時、二人の老人たちがかれらを待ち受けていました。老シメオンと老女アンナです。彼らはイスラエル民族の叡智を代表する者たちでした。二人はこの幼子とともに叡智がますます深められることを神に感謝し賛美したのです。

子供たちがおじいさんおばあさんにいろいろなことを質問するのをゆるしてあげなさい。かれらにはお年寄りとは異なる感性があります。わたしたちとは異なる音楽が好きだったり、異なるものに興味を持ったりします。しかし、かれらはお年寄りを、お年寄りとの対話を必要としています。お年寄りが若者たちに知恵を分け与えるためです。

今日の社会は見かけに左右される傾向が強い社会です。このような社会にあって、お年寄りたちこそ変わることのない永遠に残るものの価値を証明する使命があります。なぜならそのような価値こそ人々の心の中奥深くに刻み込まれ、神のみことばによって保証されているものだからです。

わたしたち老人は人生の各時期は神からの恵みであり、それぞれが美しく、たとえもろくなったとしても、それぞれ固有の重要性を持っているのだという事実を証することによって、生命文化を促進するよう招かれています。

教会はお年寄りたちを大きな愛情と感謝と評価をもって見つめます。繰り返して言います。なぜならお年寄りたちはキリスト教共同体にとっても社会にとっても民族の記憶の根幹として、無くてはならない存在だからです」。








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