2016-08-25 18:26:00

イタリア中部地震:カリタスの支援始まる、現地司教「人々は連帯を必要としている」


イタリア中部で8月24日未明発生した地震による犠牲者は、25日午後の段階で250人以上に達している。

ラツィオ州北東を震源としたこの地震は、同州のリエーティ、マルケ州のアスコリ・ピチェーノとフェルモ、ウンブリア州のペルージャの各県に被害を広げ、特にアマトリーチェとアックーモリ(ラツィオ州)、アルクアータとペスカーラ・デル・トロント(マルケ州)では、建造物の大半が崩壊、瓦礫の下の被災者の捜索・救助が昼夜を徹して続けられている。

カトリック教会の支援組織、カリタス・イタリアの事務局長フランチェスコ・ソッドゥ神父によれば、各地のカリタスのネットワークにより、関係者は地震発生からわずかの時間で現地入りし、状況のモニタリングと被災者への支援を開始した。

現段階で急務とされる人命救助の作業を妨げないことが基本とソッドゥ神父は述べつつ、各被災地に入り、現場の必要に合った緊急支援を行なう一方で、中・長期的な支援にも視野を広げていきたいと話した。

すでに様々な教区のカリタスが被災者のための避難所を開設しており、そこで初期支援やカウンセリングを行なっていることを同神父は報告。

また、カリタス・イタリアには、カリタス・インターナショナルや、カリタス・ヨーロッパ、また世界各国のカリタスから支援の申し出が寄せられており、たとえば昨年地震よる大きな被害を受けたネパールのカリタスからも連帯が示されたことを明らかにした。

ソッドゥ神父は、さらに前日地震に襲われたミャンマーの状況も忘れてはならないと指摘した。

被災地ではカリタスはもとより、現地の教区関係者らも、直接被災者に寄添っている。

アスコリ・ピチェーノ教区のジョヴァンニ・デルコレ司教は、昨日から被災者たちと共に助け、励まし合い、瓦礫をかき分けていると、バチカン放送局のインタビューに電話で語った。

地震が発生した24日、司教はペスカーラ・デル・トロントで、捜索活動を翌日夜2時まで見守る一方、犠牲者の家族に付き添い、遺族たちを慰めていたと話した。

また、避難テント内の様子を見に行くと、被災者たちは沈黙を欲しているようだったが、そこでも人々と言葉を交わすことになり、その後、アスコリ・ピチェーノに戻ると、アスコリ市民も余震に怯えて、人々は外で寝ていたと司教は語った。

デルコレ司教は、子どもが救出される一方で、別の子どもは残念ながら助からないなど、被災地は悲劇と希望が隣り合わせた状況で、多くの救助隊員たちは夜通し瓦礫を掘り続け、疲労の極地に達するまでの努力をしていると述べた。

同司教は、自身も素手で瓦礫を取り除いていた時に、偶然十字架を発見したこと、また、ペスカーラ・デル・トロントの教会では聖母画だけが残っていたことなどを語った。

被災地の人たちは皆の連帯を必要としていると司教は強調。「わたしたちのそばにいてくれてありがとう」「わたしたちを見捨てないで欲しい」という被災者たちの言葉は、すべての人に向けられていると話した。








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