2016-08-04 19:47:00

教皇、中部イタリア・アッシジを巡礼、「赦しの日」創始8百年を記念し


8月4日、教皇フランシスコは、中部イタリア・アッシジを巡礼し、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ大聖堂内の「ポルツィウンコラ小聖堂」で祈りを捧げられた。

愛と平和の聖人、聖フランシスコ(1182-1226)ゆかりの地、アッシジは、同聖人の生涯をたどる上で重要な教会や史跡に満ちている。

聖フランシスコ大聖堂がそびえる旧市街の丘を下った西南地区に、今回教皇が訪問したサンタ・マリア・デリ・アンジェリ大聖堂がある。

壮大な同大聖堂の内部に守られるように建つ、古い小さな聖堂「ポルツィウンコラ」は、聖フランシスコが回心後に修復した教会の一つであり、フランシスコと同志たちにとって祈りと布教の重要な拠点であった。聖フランシスコは小さき兄弟会の指導のかたわら、各地で宣教と隠遁生活を行なっていたが、最後にポルツィウンコラに戻り、息を引き取った。

毎年8月1日の正午から2日の深夜まで、ポルツィウンコラで「赦しの日」が祝われる。これは、1216年のある夜、聖フランシスコがポルツィウンコラで祈っていると、キリストが聖母と天使を伴って現れ、フランシスコはこの時、人々の罪の赦しのために特別な恵みをキリストに願い出たことに由来する。

「アッシジの赦しの日」に、痛悔と心からの回心をもってこの小聖堂を訪れる者には、免償(有限の罰の免除)が与えられる。

今年も8月1日と2日にポルツィウンコラで「アッシジの赦しの日」が祝われた。今年は「赦しの日」の誕生からちょうど8百年を迎える。

これを記念し、4日、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ大聖堂を訪れた教皇は、ポルツィウンコラ小聖堂の中に入られ、長い祈りの時間を持たれた。

この後、マタイ福音書の「仲間を赦さない家来」のたとえ(18,21-35)が朗読された。

このたとえでは、ある王は憐れみから一人の家来の多額の借金を帳消しにしてやった。しかし、その家来は自分にそれより小さな借金をし返済できないでいる仲間を赦さずに牢に入れてしまった。それを知った王は怒り、その家来に一旦帳消しにした借金の返済を命じ、返済が完了するまで彼を牢に入れた。

続く講話の中で教皇は、このたとえは、神がわたしたちを赦してくださるように、わたしたちも人を赦さなければならないと教えていると話し、イエスが教えられた「主の祈り」にある、「わたしたちの罪をお赦しください。わたしたちも人を赦します」というのはまさにこのことであると指摘された。

「あなたたちすべてを天国に送りたいのです」。聖フランシスコがここポルツィウンコラで司教や民に宣言したこの言葉を教皇は思い起こしながら、「アッシジの貧者」に、神の救いの恵み以上に素晴らしい、一体何が願えただろうかと話された。

聖フランチェスコが開いた「赦しの道」は、8百年経った今も天国を生み出し続けていると述べた教皇は、「赦しの道」が教会と世界を真に刷新するということを、この「いつくしみの聖年」によりはっきりと示していこうと招かれた。

講話に次いで教皇は、大聖堂に隣接する修道院で、地元の司教や、フランシスコ会関係者と挨拶を交わされた。

また、教皇は修道院内の病棟を訪れ、療養中の会員らを励まされた。

教皇は大聖堂の外に集った大勢の巡礼者、市民らに挨拶と祝福をおくり、アッシジを後にされた。








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