2016-07-22 14:18:00

教皇、女子観想修道会のための使徒憲章を発表


教皇フランシスコは、女子観想修道会のための使徒憲章「ヴルトゥム・デイ・クエレレ」を発表された。

「ヴルトゥム・デイ・クエレレ(神の御顔を求める)」は、女子の観想修道会をめぐる使徒憲章としては、1950年にピオ12世が発布した「スポンサ・クリスティ」以来、66年ぶりのものとなる。

教皇フランシスコはこの新憲章発布にあたり、第2バチカン公会議から50年経過した今、目まぐるしい人類の歴史の発展の中で、女子観想修道会がその観想生活の基本的価値を守りながら、現代社会と対話し、今日のメンタリティーに対して挑戦していく必要を説いている。

憲章の序文で教皇は、現代の人々に福音のメッセージをもたらすために、教会は観想生活をおくる姉妹たちを必要としていると述べつつ、観想修道者らに人類の歩みを導き、見守る灯台、たいまつとなり、道・真理・命であるキリストを世に示す夜明けの見張りとなって欲しいと願われている。

続いて、憲章は女子観想修道会をめぐって考察・識別すべき12のテーマを提示。最後に、それに伴う14条の規定を掲げている。

ここで考察の対象となる12テーマは、育成・祈り・神のみことばの中心性・聖体とゆるしの秘跡・共同体の兄弟愛的生活・修道院の自治性・連合・禁域・労働・沈黙・メディア・修徳に及ぶ。

教皇はこれらを通して、修道者の適切な育成、霊的読書の中心性、観想共同体の自治性をめぐる厳密な規則、一つの修道院が一つの連合に所属する必要などを示されている。

修道者の育成について教皇は、召命と霊的判断において、数や成果にこだわる誘惑に陥ってはならないと述べると共に、育成には十分な時間をかけるように勧めている。

奉献生活の真髄である祈りについては、その中に閉じこもるのではなく、人類全体を抱擁するよう心を広げ、特に受刑者・移民・難民・迫害されている人々・傷ついた家族・貧しい人・病者など、苦しむ人々のために祈り取次ぎを求めるよう願っている。

また、神のみことばをあらゆる霊性の源泉、共同体の交わりの原則とするよう招き、霊的読書は「行い」、すなわち他の人々への愛の贈り物に変容していかなければならないとしている。

修道院の自治性について、教皇は自治が共同体の安定と一致と観想を強めると述べる一方、自治性を独立や孤立と混同することがないように注意している。

教皇は修道院間の交わりを深め、共通のカリスマを分かち合う組織として「連合」の重要性を強調。各修道院の観想生活を高め、育成を助けるために、連合は重要視され、増えていくべきとされている。

観想修道会の禁域について教皇は、「花嫁である教会の花婿である主との特別な一致のしるし」と述べている。外部における使徒職の義務から除外される「教皇制」の禁域から、閉鎖性の低い禁域まで、様々な形があることに触れつつ、同じ修道会内で多様な禁域の形があることは、交わりの妨げではなく、豊かさであると教皇は述べている。

さらに、観想生活とメディアの関係について教皇は、メディアは育成とコミュニケーションに有用な道具であるとしながらも、その使用が共同生活や、召命、観想の妨げとならないよう、慎重な判断が求められると記している。








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