2016-02-18 18:07:00

メキシコ:教皇、シウダー・フアレスでミサ、米国との国境で祈る


教皇フランシスコは、2月17日、メキシコ北部、米国との国境の街、シウダー・フアレスでミサを司式され、6日間にわたる同国の司牧訪問を終えられた。

同日午前、教皇はシウダー・フアレスの刑務所を訪問。続いて正午頃、企業家や労働者など、労働界の人々との出会いを持たれた。

そして午後、教皇はメキシコ訪問最後の公式行事として、国境に近い市内の見本市会場の緑地帯でミサを捧げられた。

シウダー・フアレスはリオ・グランデ川を介して米国と接している。対岸の高いフェンスの向こうには、米国テキサス州エル・パソがある。

ミサ開始前、教皇はリオ・グランデのほとりに立つ大きな十字架に歩み寄られた。米国まで80メートルの地点であるこの十字架からは、エル・パソ側が見える。

川向こうの米国側のフェンスの下では、同国の司教や、信者たち、特に米国で暮らすメキシコ移民たちが集い、旗やバンダナを振って教皇を歓迎した。

教皇は、米国への越境を試みて命を失った多くの人々のために、十字架の下で沈黙の祈りを捧げ、献花を行われた。そして、米国側の信者たちに向かって祝福をおくられた。

ミサの説教で教皇は、シウダー・フアレスは他の国境地帯と同様に、メキシコはもとより中南米諸国からの多くの移民が集る場所であることに言及。

奴隷化、拉致、恐喝、人身売買といった恐ろしい不正に満ちた状況の中、「向こう側」を目指した多くの人々を思い起こされた。

ここ数年の人道危機は何万という移民を生み、人々はあらゆる手段で山や砂漠を越え、何百キロと歩き、その現象はもはや世界的なものとなったと教皇は述べつつ、数字で表されるこの危機を、わたしたちは一人ひとりの名前や、人生、家族を通して見つめたいと話された。

これらの兄弟姉妹たちは、貧困や、暴力、麻薬売買、組織犯罪から逃れてきた人々であり、多くの法の抜け道には、常に最も貧しい人々を搾取する網が張り巡らされていると教皇は指摘。暴力や麻薬からの脱出を試みて脅迫される若者、不当にも命を奪われた多くの女性たちの存在を見つめられた。

教皇は、回心の恵み、泣くことのできる恵み、苦しむ多くの人々に心を開く恵みを神に祈り、「死と搾取はもうたくさんです。人はいつでも変わることができます。いつでも出口とチャンスを見つけ、神のいつくしみを求めることができます」と呼びかけられた。

このミサによってメキシコ訪問の日程を終了された教皇は、シウダー・フアレス国際空港から、ローマへの帰途につかれた。

そして、教皇はイタリア時間18日午後3時頃、ローマに到着。聖マリア大聖堂の礼拝堂で感謝の祈りを捧げた後、バチカンに戻られた。








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