2016-02-14 12:49:00

メキシコ:グアダルーペの聖母巡礼聖堂で教皇ミサ


メキシコ訪問中の教皇フランシスコは、2月13日、グアダルーペの聖母巡礼聖堂でミサを捧げられた。

グアダルーペの聖母巡礼聖堂は、世界各国から年間およそ2千万人が訪れる、アメリカ大陸はもとより世界でも最大の聖母巡礼地の一つ。

この巡礼聖堂の由来は、1531年、インディオのフアン・ディエゴが、テペヤックの丘の上で5回にわたる聖母マリアの出現を受け、聖母からこの地に聖堂を建てるよう望まれたことに始まる。

フアン・ディエゴは聖母から、しるしとして、聖母と出合った丘に咲く花々を司教に持っていくように言われ、マントにバラやたくさんの花々を包み司教のもとに参じたが、マントを開くとそこには聖母の姿が映し出されていた。

後、フアン・ディエゴは聖母に捧げた聖堂の隣に暮らし、1548年に帰天。2002年、教皇ヨハネ・パウロ2世は、フアン・ディエゴの列聖式をこの巡礼地でとり行なっている。

バロック様式の旧聖堂の隣に建てられた現在の巡礼聖堂は、砂漠に立つ巨大なテントをイメージしている。この聖堂の中に、聖母像が現れた聖フアン・ディエゴのマントが保管されている。

グアダルーペの聖母巡礼聖堂を訪れることは、教皇フランシスコの今回のメキシコ司牧訪問の主な目的の一つであった。

教皇ミサのために、この日、巡礼聖堂付近は数万人の信者たちで埋まった。旧聖堂から新聖堂へと向かう入祭の行列では、ミサを共同司式する大勢の司教たちの列が続いた。

「1531年のある夜明け、ファン・ディエゴは聖母と出会い、その時、神はフアンの希望を呼び覚ますと共に、すべての民の希望を呼び覚ましました。その夜明け、神は最も小さな人々、苦しむ人々、難民、疎外された者、この世に自分の居場所がないと思うすべての人たちの希望を呼び覚ましたのです」と、ミサの説教で教皇はこのように話された。

フアン・ディエゴはこの巡礼聖堂を守る使命を託されたが、彼は自分はそれにふさわしくないと聖母に何度も訴えた。しかし、彼は神のいつくしみのメッセンジャーとなることで、そのいつくしみの中から、もう一つの「巡礼聖堂・聖域」が生まれてくるのを見たと、教皇は指摘。

その「神の聖域」とは、未来のない若者、疎外された高齢者、生活に事欠く家庭など、ありとあらゆる種類・状況の神の子らの生活・社会、わたしたちの歩みの中で出会う多くの人々の顔を映し出すものであったと話された。

すべての人は神のご計画の一部であり、聖母はわたしたちの痛みや絶望、悲しみを母として受け止めてくださると教皇は強調。

苦しむ者の涙は無駄ではなく、それは沈黙の祈りとなって天に上り、聖母はマントの下にその人を守り、マリアにおいて、マリアと共に、神はわたしたちの兄弟、旅の同伴者となられ、わたしたちの十字架を一緒に背負ってくださると説かれた。

ミサ終了後、教皇は聖母像が保管されている礼拝堂に赴き、長い祈りの時間を持たれた。教皇はこの巡礼を記念し、聖母に金の冠を贈られた。

 








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