2015-12-17 17:30:00

教皇フランシスコ 各国新大使たちに 「非暴力、平和への希望」


12月17日 教皇フランシスコはバチカン教皇宮殿クレメンティーナ・ホールにて、ギネア、ラトビア、インドおよびバーレンなどの新バチカン大使たちに会われ、それぞれ信任状を受け取られた。その際、今日世界情勢は戦争やテロリズムの驚異にさらされているものの、そのような現状の中で平和構築のために非暴力への要望が強まっていることも事実だと語られた。

「親愛なる各国の新大使の皆さん、2015年も終わろうとしています。残念ながらこの年も多くの紛争や戦争そしてテロリズムで傷つきました。しかし新しい希望の便りがないわけではありません。

 このような悲しい現実はかえって人々の良心に非暴力の必要性への確信と自覚をますます強めているのです。この傾向を私たちは全力を挙げ共に責任を込めてはぐくんでいかなければなりません。

カトリック教会は全世界に赦しと和解の精神を広めていきたいと願っています。ですから今、特に神のいつくしみの聖年を実施しているのです。これによってわたしたちは、残念ながら現代社会の特徴とも言える人々の無関心に打ち勝つことを望んでいます。この崇高な目的を実現するために世界に連帯精神、連帯の文化を皆で共に協力しつつ促進する必要があります。

無関心の主な原因は何でしょうか。それは均衡を欠いた人々の心の状態です。人間の心の中に神の場が失われてしまったことです。そこには神ではなく様々な形の偶像崇拝が入り込んでしまいました。さらに今日の世界が抱えている大きな経済危機もこのような人間的な不均衡を生み出す原因ともなりえます。

神に対する無関心、隣人に対する無関心、環境や自然に対する無関心、これらは全て互いに結びつき影響しあいます。これに打ち勝つためには本来あるべき人類の真の姿を取り戻し、人類を創造主である神、兄弟である隣人、そして自然との正しい関係の中に戻す必要があるのです。

世界を自然を人類をあるべき姿に戻すために、マスメディアの果たす役割も見過ごすことは出来ません。なぜならその働きは人々の日常生活また社会生活に多大な影響力を持っているからです。 さらに学校教育の重要性も強調すべきです。その中で家庭や社会との関わりまた他の国々との協力精神の育成などに力を入れるべきです。また国家は、弱い人々、例えば囚人や移民、難民、失業者たちそして病人たちに特別な配慮を向ける必要があります。

この神のいつくしみの聖年にあたって、わたしは改めて全世界の国家責任者たちに、仕事や家や国を失った兄弟姉妹たちのために何か具体的な行動をとるよう呼びかけたいと思います」。

教皇は最後に、ギネア、ラトビア、インド、そしてバーレンに在住するカトリック信者たちに、それぞれの国でいつも誠実に共通善の促進のために働き協力するよう勧め、そうすることによってますますそれぞれの国で宗教の自由促進に貢献するだろうと語られた。








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