2015-11-23 16:39:00

教皇フランシスコ 「傷つき引き裂かれた世界に必要なのは愛とあわれみ」


11月22日日曜正午の教皇とのアンジェラスの祈りに、厳重な警戒態勢にも関わらず、バチカンの聖ペトロ広場には3万人を越す信者や巡礼者たちが集まった。

この日の聖ペトロ広場にはいるためには、パリでのテロ事件の影響を受けていつもとは異なり広場に入るためにも厳重な検査を経なければならなくなり、広場前のコンチリアチオーネ通りに長い行列が出来た。教皇の話に耳を傾け、聖母マリアへの正午の祈りを共に唱えようと困難を押し切ってやってきた多くの信者たちを前にして、教皇フランシスコは、この日曜日がカトリッック教会の典礼暦最後の日曜日「王であるキリストの祝日」であることに触れながら、地上の王国と天上の王国の論理に違いについて次のように話された。

「親愛なる兄弟姉妹の皆さん、今日の主日は万物の王であるキリストの大祝日です。傷つき引き裂かれたこの現代世界を前にして、わたしたちは愛と友情の国である神の国、キリストの国を打ち建てましょう。

この世の論理でではなく福音の論理、キリストの論理に従いましょう。福音の論理は謙遜と無償の愛の中にその土台を置いています。

 今日の世界は余りにも多くの深い傷に覆われています。聖母マリアに祈りましょう。わたしたちが愛と同情と理解とあわれみの行為によって私たちの王キリストに倣うことによってその王国を打ち立てることが出来るように。

今日のミサの中で朗読された福音を思い出してください。ローマ総督ピラトの前に引き出されたキリストは、自分は王であるかと聞かれます。キリストは自分は王であるしかしこの世の王国の王ではないとはっきりと宣言しています。

この世の王国の基礎は権力、競争、武力によります。しかしキリストの王国は全く違います。その論理すなわち福音の論理はこの世のそれとは正反対です。その土台は謙遜であり、無償の愛であって、静かに、しかし効果的に真理の力をもって機能する国です。キリストの王国は正義と愛と平和の王国なのです。

キリストはご自分が王であることを十字架上で宣言されました。キリストの十字架を眺める者はそこにキリストの無償の愛の印を見ることが出来るのです。キリストの十字架は敗北のように見えるでしょう。それは罪の敗北、人間的な野望の敗北であって、実は十字架は愛の勝利です。:

キリスト者にとって力とは十字架の力、イエスの愛の力、たとえ反対にあってもその効果を失うことのない、全てを人々のために捧げつくす愛の力をさすのです。

 イエス・キリストは全世界の救いのためにその生命を捧げました。しかし、わたし自身のために捧げてくれたと考えるのはなんと素晴らしいことでしょう。今日、今、この聖ペトロ広場でわたしたち皆、心の中で言いましょう。キリストはわたしのために、わたしを罪から救い出すためにその生命を捧げてくれたのだと。

 キリストの王国の力は愛です。ですからキリストの王権はわたしたちを決して圧迫することはありません。かえってわたしたちを弱さやみじめさから解放し、和解と赦しの道を進むよう力づけてくれるのです。キリストの十字架の隣にいた良い盗賊はこのことをよく理解しました」。

このように話された教皇フランシスコは信者たちと共に聖母マリアへの祈りアンジェラスを唱え、次の水曜日25日から始まるアフリカ大陸司牧訪問のために祈ってくれるよう願われた。








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