2015-10-26 17:01:00

「教義の真の擁護者は、概念ではなく人間を護る人」教皇、シノドス閉会で


世界代表司教会議(シノドス)・第14回通常総会「テーマ:教会と現代世界における家庭の召命と使命」の閉会にあたり、教皇フランシスコは参加司教らを前に今シノドスを振り返る講話を行った。

教皇は10月24日の最後の全体会議の席で、シノドスを聖霊によって導いた神と、シノドスに参加・協力したすべての人々に感謝を表し、このたびの司教会議の意味を振り返られた。

このシノドスで、家庭を脅かす困難や疑念のすべてに十分な説得力ある解決が見つけられたとは言えないが、これらの問題を信仰の光の下に置くことで、恐れたり、見ないふりをすることなく、注意深い検討を行なうことができたと教皇は評価された。

そして、会議を通し、家庭と、一致と不解消性の上に築かれた男女間の結婚の重要性への理解を促し、それを社会と人類の営みの基礎として再評価することができたと述べられた。

同時に教皇は、シノドスのためにローマにやって来た司教たちが、全世界の家族の重荷や希望、豊かさ、挑戦についてその声を聞かせてくれたことを喜ばれた。

教皇はこの司教会議が、福音を死んだ石に変え、他人に投げつけようとする人々とは反対に、福音が教会にとって永遠に新しい生きた泉であることを証しし、教会の教えの裏にしばしば隠れた閉ざされた心を脱ぎ捨てる機会にもなったと指摘。

教会は「心の貧しい人々」、赦しを乞い求める罪びとたちの教会であり、義人や聖人だけの教会ではない。むしろ自分たちの貧しさ、罪深さを認識することで、教会は義人と聖人のものとなると説かれた。

会議は相対主義や、他人を悪魔化する危険に陥ることなく、「すべての人々が救われること」(1テモテ2,4)だけを望まれる神の優しさといつくしみを勇気をもっていっぱいに抱きしめることを求め、これから訪れる「いつくしみの特別聖年」に備えることができたと教皇は話された。

シノドスの体験は、教義の真の擁護者は、文面ではなく精神を護る人、概念ではなく人間を護る人であることに気づかせてくれたと述べた教皇は、それは原則や神の掟の大切さを矮小化することではなく、真の神の偉大さ、その無限のいつくしみの寛大さを高揚することであったと強調。

わたしたちは、「放蕩息子」のたとえにおける兄(ルカ15,25-32)や、「ぶどう園の労働者」のたとえでの不平を言う労働者(マタイ20,1-16)のようになりがちな誘惑を常に断たなければならないと注意を促された。

最後に、教皇フランシスコは、前任の3人の教皇に言及。パウロ6世の「神は、キリストにおいて、限りない善良さを啓示される」、ヨハネ・パウロ2世の「神のいつくしみを信じ、宣言し、救い主のいつくしみの源に人々を近づける時、教会は真にその命を生きる」、そしてベネディクト16世の「いつくしみは、実際、福音のメッセージの中心です。いつくしみ、それは神ご自身の名前です」という言葉を思い起こされた。








All the contents on this site are copyrighted ©.