教皇フランシスコは、9月24日、ワシントン市内の教会でホームレスの人々とお会いになった。
米国訪問3日目、教皇は連邦議会訪問の後、ワシントン教区内で一番古い歴史を持つ小教区、聖パトリック教会を訪れた。
同教会には、教区運営の支援センターが併設されている。
聖堂内で行われた集いで、教皇はホームレスの人々や同教会の信者らを前に、ご自身が敬愛する聖人、聖ヨセフについて語られた。
聖ヨセフはその人生で様々な困難に直面したが、特にベツレヘムでマリアがイエスを生んだ時、宿もなく、幼子を飼い葉おけに寝かさざるをえなかったと、教皇はイエス降誕のエピソードを思い起こされた。
「宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである」(ルカ2,7)という福音書の言葉を示しつつ、神の御子は家を持たざる者としてこの世に入って来られたと話された。
教皇は、「どういうことだ、神の御子には屋根さえ与えられないのか」というヨセフの気持ちを想像しながら、このヨセフの問いは、家の無い人たちの問いであると同時に、「なぜこの兄弟姉妹たちには家がないのか」という、家のあるわたしたちの問いでなくてはならないと説かれた。
信仰の人であったヨセフは、その信仰によって闇の中に光を見つけ、困難の中を前進することができたと述べた教皇は、不当で苦しい状況においても、すべての人に神は寄り添っていると強調。
人々が家を持てないことが、社会的・倫理的に正当化されることが決してあってはならないと訴える教皇は、神はわたしたちと共にいて、わたしたちを愛の業へと招いていると、困難を抱える人々への支援を呼びかけられた。
この後、教皇は教会に隣接する支援センターの食堂や礼拝堂を祝別。食堂では、テーブルの間を回りながら、人々と言葉を交わされた。
ワシントン滞在を終えた教皇は、同日夕方、ニューヨークへと移動された。
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