2015-09-02 12:11:00

「砂漠化した街には、家族たちの愛が必要」教皇、一般謁見で


教皇フランシスコは、バチカンで9月2日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中の家庭をめぐるカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇は家庭が持つ福音宣教の役割について講話された。

愛情の叡智は売り買いできないものであり、それは家庭がそなえる最上の天性といえると教皇は強調。

わたしたちが愛情の知恵を学び成長するのは、まさに家庭の中であるが、その「文法」はそこで学ばない限り、習得することはなかなか容易ではないと話された。

家庭の愛情の文法を通して人は神を理解するようになると述べた教皇は、信仰と主との契約の中に家庭の絆を据えることは、家族のその絆を守り、利己主義から解放され、永遠の命へと導かれることになると説かれた。

人間関係の中に家庭的な要素がもたらされ広められることは、すべての人民にとっての祝福であると教皇は述べつつ、家庭の愛が福音の証しの形をとる時、それは、イエスが出会った男性や女性、子どもたちに施された行為のごとく、神のみ業に触れるような思いがけないことを成し遂げることができると話された。

たとえば、一人の見捨てられた子どもの絶望から、再び生きるための微笑みを引き出すことができるならば、それは世界に神の働きをより良い形で示すことになると、教皇は神の愛を伝えるものとして、自分の子どものためだけではなく、他人の子どものためにも自分たちを犠牲にできる夫婦の姿を例に取り上げられた。

神に結ばれた家庭は、今日の都市生活で共同体的性質が失われつつある現状に対抗するべく招かれていると述べた教皇は、多くの娯楽や楽しいはずの物事に囲まれながらも、砂漠化し、愛と微笑みが欠けているわたしたちの街には、家族たちの愛が必要と訴えられた。

そして、教皇は、「どのような経済・政治術も、家庭のこの貢献に代わることはできない。バベルの塔の計画は命のない高層建築を建てることであったが、これに対して神の霊は荒れ野を園にする(参考:イザヤ32,15)」と説かれた。

愛にあふれた家庭は、その愛の証しをもって街全体の心を温めることができると、教皇は福音をもたらす家庭の役割を示された。

 








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