2015-06-22 12:43:00

トリノ:教皇、ヴァルド派福音教会に歴史的訪問


教皇フランシスコは、6月22日、北イタリア・トリノで、ヴァルド派福音教会を訪問された。

21日、22日にわたり、トリノを司牧訪問された教皇は、2日目の午前、市内のヴァルド派福音教会を訪れ、対話と交流の機会を持った。ローマ教皇がヴァルド派の教会を訪れるのは初めてのことであり、これはカトリック教会とヴァルド派教会にとって、歴史的な訪問となった。

ヴァルド派はイタリアでは中世から存在していたが、当時の政治・宗教権力からの迫害と差別に苦しんだ。16世紀から19世紀半ばまで、ヴァルド派の宣教活動は、ヴァル・ペッリチェをはじめとする「ヴァルドの谷」と呼ばれる地域でのみ認可された。1848年、ヴァルド派はカルロ・アルベルト・ディ・サヴォイアによって市民権を回復。この日教皇が訪れたトリノのヴィットリオ・エマヌエレ通りのヴァルド派福音教会は、1853年献堂されたもので、ヴァルドの谷の外に設けられた最初の教会である。

この出会いで、教皇はイタリアのヴァルド派福音教会の信者たちに温かく迎えられた。

教皇はその挨拶で、ご自身のブエノスアイレス大司教時代におけるヴァルド派福音教会との交流を思い起こされた。

互いの違いにも関わらず、カトリックとヴァルド派が持つ深い繋がりを指摘された教皇は、ここ数年のエキュメニカル運動がイエス・キリストを信じるすべての人を一致させる兄弟愛を再発見させたことに期待を示された。

聖霊の実りである一致は「画一性」を意味するものではないが、互いの違いを認めない時、兄弟同士が争う状態になると述べつつ、両教会の歴史を振り返られた教皇は、信仰の名のもとに行われた暴力を悲しく思い、すべての罪を認め、互いに許し合う恵みを神に祈りたいと話された。

そして、カトリック教会として、歴史の中でキリスト教的でない、時には人間的ですらない態度と行いがヴァルド派に対してあったことに、イエス・キリストの名において赦しを請いたいと述べられた。

今日、カトリック教会とヴァルド派福音教会の関係は相互の尊重と兄弟愛の上に築かれていると話した教皇は、これからも福音に基づく協力を深めていくことを願われた。

 








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