2015-06-03 12:46:00

家庭と貧困をテーマに、教皇一般謁見


教皇フランシスコは、バチカンで6月3日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中、教皇は家庭をめぐるカテケーシス(教会の教えの解説)を継続しながら、この日は家族を取り巻く様々な問題の一つとして「貧困」をテーマに取り上げられた。

大都市の郊外や農村の荒廃した地域に生きる貧しい家族たち、戦争に巻き込まれた家族たちを教皇は思い起こされると共に、すべての試練にも関わらず、神に信頼し、尊厳をもって生活のために努力し、その人間的な絆を保ち続ける多くの家族たちを称賛。こうした家族たちこそ、荒れた社会を救う人類の真の学び舎であると話された。

暴力や経済問題に追い詰められ、家族の愛情まで諦めてしまったら、わたしたちに何が残るだろうかと問いかけた教皇は、家庭と貧困の間にある問題の連鎖を止めるような社会的絆を行政責任者たちが再構成することで、初めて新たな市民倫理が訪れるだろうと述べられた。

今日の経済は個人の幸福の享受に照準を向け、しばしば家族の絆は犠牲にされていることを教皇は指摘。個人の内的育成と社会における兄弟愛の基本は家庭にあるために、家庭を排除することは、社会そのものを弱らせてしまうと警告された。

教皇は、キリスト者は貧困に苦しむ家庭にいっそう寄り添うべきと強調。特に失業や不安定な雇用は家庭生活に大きくのしかかり、さらにマスメディアによって広められた消費主義と見かけを大切にする文化の「偽のモデル」が、家族の絆をさらに危ういものにしていると話された。

母である教会は、子たちの悲劇を決して忘れることはないと述べた教皇は、これらの多くの悲惨に応え、実りをもたらすために、教会もまた貧しいものでなければならず、貧しい教会はその単純な意志をもって、貧しい人々をはじめ、人々を分離するすべての壁を、祈りと行いによって、倒していかなければならないと話された。








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