2015-03-21 13:57:00

教皇、ポンペイ・ナポリ訪問:郊外住宅地スカンピアへ「心の腐敗と闘おう」


教皇フランシスコは、21日、南イタリアのポンペイとナポリを訪問された。

早朝、教皇はポンペイの聖母巡礼聖堂からこの訪問を開始された。巡礼聖堂で信者たちと訪問の実りを祈られた教皇は、ナポリ郊外のスカンピアに向かわれた。

スカンピアはナポリ市北部の住宅地で、1960年台以降発達した。当初は新しい都市開発の一環として計画されたこの地域であったが、違法建築や、1980年大地震後の急速な住民流入による整備の遅れ、高い失業率など様々な要因によって荒廃が社会問題化した。

特別車パパモービルで住宅街に入った教皇は、沿道に連なる住民たちの温かい歓迎を受けられた。

地区中心部のヨハネ・パウロ2世広場で行われた人々との出会いで教皇は、長い歴史の中で、ナポリは災害や辛い試練にあっても、「生きるための文化」を生み出しながら常に立ち上がってきたと強調。

「悪の道をあえて選ぶ者は、何か僅かを稼ぐことと引き換えに、大切な希望を自分自身から、正直な人々から、そしてこの街から奪ってしまいます」と教皇は述べ、「悪を最後に勝たせることがあってはなりません」と呼びかけられた。

教皇はまた、移民問題にも言及。「移民の人々も神の子であり、市民です。わたしたちもまた天国という別の祖国に向かって歩み続ける移民ではないでしょうか?人生の歩みの中で、わたしたちはすべて移民なのです」と話された。

地域の高い失業率にも触れながら、教皇は人を使い捨てにする経済の構造的問題を指摘。「慈善事業があるからよいという問題ではありません。問題は食べることではなく、働いてパンを得ることができないということです。市民の尊厳を奪い、人間を搾取するこの問題とわたしたちは闘わなければなりません」と訴えられた。

子どもに希望ある未来を準備するため、教育の重要さを説くと同時に、教皇は社会の「腐敗」と闘うには、まずは一人ひとりの心から悪への誘惑や腐敗をなくすことが大切と説かれた。

腐敗を「醜く、悪臭のするもの」として表現された教皇は、その腐敗を心に持つ「キリスト者とは言えないキリスト者」とはどういうものかを考えるよう招かれた。








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