2015-03-04 15:34:00

お年寄りへの感謝・尊重・理解を、教皇一般謁見


教皇フランシスコは、バチカンで3月4日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

謁見中、教皇は家庭についてのカテケーシス(教会の教えの解説)として、この回と次回を、祖父母など高齢者をめぐる考察にあてられた。

「医学の発達により人間の寿命は延びたが、寿命に対して社会が広がってくれない」と教皇は述べ、高齢者が増加する一方で、尊重と理解をもってお年寄りを受け入れる態勢が社会において十分でないと指摘。

若いうちは歳をとることを考えなくてすむが、実際に老人になった時、特に経済的問題や病気、孤独を抱えている場合に、高齢者を無視する、効率優先にできた社会の欠陥を知ることになると話された。

「社会の質、文明の質は、お年寄りがどのように扱われているかによっても判断される」という、ベネディクト16世が高齢者施設を訪問した際の言葉を教皇は引用。

「高齢化の時代」を現代社会の大きな挑戦として示しながら、お年寄りを負担としてしか捉えられず、老人を「使い捨てる」文明を卑劣なものと非難された。

教皇はブエノスアイレスの大司教時代、老人たちの限界は自分たちの限界でもあるということを理解し受け入れることができず、若い人だけを必要とする社会のエゴイズムのために打ち捨てられた多くの高齢者たちの現実に触れたと、疎外され孤独に生きる老人たちのエピソードを思い起こされた。

教会の伝統は、「叡智の宝庫」である高齢者に常に愛情と連帯をもって寄添うことを教えてきたと教皇は強調。

無関心や侮蔑ではなく、感謝と称賛、受け入れの気持ちを通して、お年寄りたちに共同体の大切な一員であることを感じてもらえるようにと願われた教皇は、「高齢者への尊敬の無い社会には、若者のための未来はありません」と説かれた。








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