教皇フランシスコは、21日バチカンで、水曜恒例の一般謁見を開催された。
謁見の講話で、教皇は先日行われたスリランカ・フィリピン司牧訪問について報告。両国で受けた温かい歓迎と、人々との出会いを、感謝をもって思い起こされた。
スリランカでの中心行事として、教皇は偉大な宣教者ヨセフ・ヴァズ(1651-1711)の列聖式を挙げ、その聖性と隣人への愛は、今日もスリランカの教会の愛徳の業や教育の分野で息づいていると話された。教皇は、多宗教社会において、他者の尊重と忍耐・謙遜のうちに福音の救いの真理を証しするよう召されているすべてのキリスト者に、聖ヨセフ・ヴァズ神父をその模範として示された。
また、長い内戦終結の後、国内一致の再構築を目指すスリランカで、教皇は対話、人権の尊重、和解、共通善を目指す努力の重要性を強調したと話された。
これらの課題において、各宗教が大きな役割を負っていることを教皇は指摘しつつ、諸宗教リーダーとの出会いで宗教間の協力を励ましたこと、またマドゥの聖母巡礼聖堂でスリランカの全国民の一致と和解を祈ったことを紹介された。
フィリピン訪問では、2021年に福音宣教500周年を迎える同国の人々に、福音がもたらし続ける実りと、すべての人間が尊まれる社会を作り出す福音の力を示したかったと教皇は述べた。
さらに、この訪問の重要な目的は、一昨年の台風で深刻な被害を受けた人々に寄添うことにあったと教皇は述べ、レイテ島タクロバンでは、被災の悲劇から立ち上がる人々の信仰と連帯に深い感動を受けたと話された。また教皇は、訪問中、強風による事故で一人の犠牲者が出たことを悲しまれ、この若いボランティアの女性を心から悼まれた。
マニラでの家族たちとの出会いでは、子どもを神の賜物、祝福として大切にする多くの家族の姿に慰めと希望を受けたと教皇は述べ、家族をイデオロギー的な侵食から保護し、そのアイデンティティーと使命を守らなければならないと訴えられた。
フィリピンの青少年との集いでは、若者たちの希望や不安に耳を傾けると共に、社会の再生、特に貧しい人々が尊重され、自然環境が保護される社会のための、彼らの貢献を励まされたと教皇は述べた。
貧しい人々への配慮はキリスト教的証しの本質であり、貧しい人々から奪う社会の腐敗と闘い、誠実さという文化を求めるよう人々に願ったと話された。
教皇はスリランカとフィリピンへの訪問を感謝し、両国民に神の祝福を祈られた。
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