2014-11-20 18:14:40

教皇、国連食糧農業機関を訪問「求められているのは尊厳」


教皇フランシスコは、20日、国連食糧農業機関で講演された。

国連食糧農業機関(FAO、本部:ローマ)は、世界保健機関(WHO)との共催で19日より21日まで「第2回国際栄養会議」を開催。170カ国以上から代表が参加し、「より良い栄養と、より良い生活」を目指し、世界の食糧・栄養問題について話し合った。

この会議は「ローマ栄養宣言」を採択、食糧を政治・経済の圧力の道具としないということを基礎としながら、あらゆる形の飢餓をなくし、子どもたちをはじめ、すべての人々が安全で十分な、栄養ある適切な食生活が可能となるよう、各国政府の取り組みを訴えている。

教皇は講演の中で、「今日、人々は権利について大いに語るが、しばしば義務のことを忘れている。おそらく、わたしたちは飢えに苦しむ人たちのことをあまり心配していないのではないか」と飢餓問題への注意を喚起。

飢餓や栄養失調に対する闘いが、市場や利益優先主義によって妨げられ、食糧が単なる物として投機の対象になっているのは悲しむべきことと話された。

人々が新しい権利について話している間に、道の片隅では、飢えた人が健康的な最低限の食べ物を得るという、市民としての権利を求めていると教皇は指摘、「求められているのは施しではなく、尊厳なのです」と強調された。

食べ物はすべての人々に足りるにも関わらず、食べられない人が存在し、無駄や大量消費や、食糧を別の目的に使用することが普通に行なわれていると述べた教皇は、この食糧問題の矛盾を解決することを、取り組むべき第一の挑戦として示された。

また、教皇は次に連帯の欠如に立ち向かうことを重要課題として挙げられ、個人主義と分裂が広がる現代に、連帯は人々を出会わせ、互いの違いや限界を乗り越えた、共通善の追求への力を与えてくれると説かれた。








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