2014-07-07 18:51:00

モリーゼ訪問:教皇、労働界の人々との出会い「仕事が与える尊厳を取り戻そう」


教皇フランシスコは、5日、南イタリア・モリーゼ州を司牧訪問された。

モリーゼは、ラツィオ、アブルッツォ、カンパーニア、プーリアの各州に囲まれた、イタリアでは2番目に小さい州。西方はアペニン山脈の一部をなすと共に、東方はアドリア海に面し、非常に豊かな自然に恵まれている。

同日午前、州都カンポバッソに到着された教皇は、モリーゼ大学で労働界関係者や企業家らとお会いになった。

現在モリーゼ州が直面している深刻な失業問題に触れた教皇は、建設的な方法で皆で力を合わせてこの危機に当たっていくよう励まされた。

失業の問題は、生活に必要な物が買えないということだけでなく、人から尊厳を奪ってしまうことにあると教皇は述べ、仕事が与える尊厳を取り戻し、それを守らなくてはならないと強調された。

一方で、教皇は労働者にとっての日曜日の重要性を説き、人にとって一番大切なのは経済性ではなく、家族や友人、神との関係を育てる人間性でなくてはならない、日曜日に働くことが真の自由であるかどうかを問い直す時が来たとも述べられた。

また、このモリーゼ大学の農学部で学ぶ若者たちの存在にも言及しながら、地元で農業に携わることは、ただ土地に留まることでなく、土地や自然との豊かで創造的な対話を続けることと指摘。自然を尊重し、守っていくことは、現代の最も大きな挑戦であると話された。

教皇はこの後、カンポバッソの旧競技場で市民のためにミサを捧げられた。ミサにはモリーゼはもとより、周辺地域からも多くの信者が参加、その数はおよそ10万人に達した。

ミサの説教で教皇は、教会は母として兄弟として人々と困難や弱さを分かち合い、愛を証しすることにおいて、常に最前線にいなくてはならないと述べ、困窮する人々に寄添い、連帯の文化を築くことを、福音宣教の最も大切な道として示された。

ここでも教皇は就労問題に触れ、人間は神の似姿として創られた、その人間の尊厳を中心に据えて計画・行動しなければならないと呼びかけられた。

教皇は続いてカンポバッソの司教座大聖堂で病者とその家族らを励まされた。

そして、教区カリタスが運営する施設で貧しい人々と昼食を共にされた。








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