2014-04-14 19:15:41

「イエスの前で自分は誰なのか」教皇、受難の主日のミサ


教皇フランシスコは、バチカンで13日、「受難の主日」のミサを捧げられた。

「受難の主日」と共に、カトリック教会の典礼暦は復活祭前の一週間、「聖週間」に入った。キリストの受難を記念する「聖週間」の第一日目、「枝の主日」とも呼ばれるこの日は、イエスのエルサレム入城の際、民衆が歓呼のうちにイエスを迎え、その足元に服や木の枝を敷いたという福音書の記述を思い起こし、ミサの前にオリーブや棕櫚(しゅろ)の枝を手に宗教行列を行なう。

また、この日は教区レベルで「世界青年の日(ワールドユースデー)」が記念された。ミサには地元ローマ教区の若者はもとより、昨年のワールドユースデー世界大会開催地リオデジャネイロと、2016年度世界大会開催地ポーランド・クラクフからも青年たちが参加した。

教皇フランシスコは、ミサ開始前に聖ペトロ広場のオベリスクの前で人々の手にする枝を聖水で祝別。この後、信者や修道者、教皇を含む聖職者らは枝を掲げ、賛美の歌を歌いながら、大聖堂前に設けた祭壇まで行列した。

ミサの説教で教皇は、イエスの受難の場面を観想しながら、イエスの受難の前で自分は一体誰なのかを問うようにと、信者たちを招かれた。

教皇フランシスコの受難の主日ミサにおける説教は以下のとおり。

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この週は、オリーブの枝の祝祭的な行列と共に始まります。すべての民がイエスを歓迎します。小さな子どもも、少年たちも、イエスを称えて歌います。

しかし、この一週間はイエスの死と復活の神秘のうちに進みます。わたしたちは先ほどの福音朗読で、主の受難に耳を傾けました。ここで自分に一つの問いを投げかけてみましょう。「わたしは誰なのか?」と。わたしの主の前で、わたしは一体誰なのだろう?祝祭の中、エルサレムに入場されるイエスの前で、自分は誰なのか?イエスを賛美し、自分の喜びを表すことができるだろうか、それとも距離をとるのか?苦しむイエスの前で自分は誰なのか?

朗読の中でわたしたちはたくさんの名前を聞きました。偉い人たちの集り、祭司たち、ファリサイ派の人々、律法学者たち、彼らはイエスを殺すことに決めました。そして逮捕の機会を待っていました。自分は彼らの一人のようでしょうか?

わたしたちは別の名前も聞きました。ユダです。彼は銀貨30枚でイエスを引き渡しました。自分はユダのようでしょうか?別の名前も出てきました。主が苦しんでいた時、何もわからずに、眠り込んでいた弟子たちです。自分の人生は眠り込んでいないでしょうか?それとも弟子たちのように、イエスを裏切るということが、どういうことかもわからないのでしょうか?剣ですべてを解決しようとしたあの弟子のようではないでしょうか?主を愛するふりをして、接吻しながら師を引き渡し、裏切ったユダのようではないでしょうか?

自分は、急いでイエスの裁判をし、偽の証言を探したあのお偉方のようではないでしょうか?そしてこういうことをしながら、それは人民を救うためだと信じていないでしょうか?
自分はピラトのようではないでしょうか?難しい状況に遭遇すると、手を洗い、責任逃れをし、人に罪をかぶせたままでいる、あるいは人を断罪してはいないでしょうか?
自分はあの群集たちのようではないでしょうか?彼らはそれが宗教会議なのか、裁判なのか、サーカスなのかもよくわからず、バラバの釈放を願いました。彼らにはどうでもよかったのです。イエスを屈辱するほうが、面白かったからです。
わたしはイエスを打つ兵士のようではないでしょうか?彼らは主に唾を吐きかけ、侮辱し、主を辱めることで楽しんでいました。
わたしは、キレネ人のようでしょうか?彼は仕事から帰る途中でしたが、イエスを助けて、十字架を担ごうとの善意を持ちました。
わたしは十字架の前を通ってイエスを嘲笑した人々のようでしょうか?「あれだけ勇気があったのに。十字架から降りたら信じてやろう」とあざ笑いました。
わたしは、イエスの母のようでしょうか?マリアはそこにいて、沈黙のうちに苦しんでいました。
わたしはイエスの隠れた弟子、ヨセフのようでしょうか?彼はイエスの体を愛情を込めて葬るために引き取りました。
自分は2人のマリアのようでしょうか?彼女たちは主の墓の前で泣き、祈っていました。
自分は翌日にピラトのもとに行った祭司長たちとファリサイ派のひとたちのようでしょうか?彼らは、「イエスは復活すると言っていた。これ以上惑わされないように」と、命に道を閉ざし、教理を守るために墓を封印しました。
わたしの心はどこにあるのでしょうか?どの人物に自分は似ているのでしょうか?この問いを持ちながら、この一週間を過ごすことができますように。








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