2014-02-26 17:46:49

病者の塗油を考察、教皇一般謁見、ベネズエラに国内の和解アピール


教皇フランシスコは、バチカンで26日、水曜恒例の一般謁見を行われた。

集いの席で教皇は、このところ続くベネズエラの反政府デモをめぐる混乱に対し、一刻も早く敵対と暴力を停止するようアピール。政府当局や行政関係者をはじめすべての国民が、相互の赦しと、誠実で真理と正義に基づいた対話を通して、皆の善につながる問題に具体的に取り組み、国内の和解を育くむことを願われた。

教皇は、今回の衝突の犠牲者と遺族らのために祈ると共に、同国が平和と和解を早急に取り戻すことができるよう、すべての信者に祈りを呼びかけられた。

謁見中のカテケーシス(教会の教えの解説)で、教皇はカトリック教会の秘跡の考察として、この日は「病者の塗油の秘跡」を取り上げられた。

「病者の塗油を通して、わたしたちは神の人間に対する同情の手に触れることができます」と教皇は述べ、かつて臨終の信者に精神的慰めを与えるために「終油」といわれたこの秘跡は、「病者の塗油」と呼ぶことで神の憐れみのもとに人間の病気や苦しみの体験に眼差しを広げることができると説明された。

そして、この秘跡を行なうたびに、主イエスは司祭を通して、苦しむ人、重い病気の人、お年寄りのそばにいてくださると話された。

教皇はイエスの「善きサマリア人のたとえ」を引用。サマリア人は追いはぎに襲われた旅人を憐れに思い、その傷に油とぶどう酒を注ぎ、宿屋に連れて行って介抱したとあるが、わたしたちにとってこの油とは聖木曜日の聖香油のミサで祝別された油であり、ぶどう酒とはイエスの犠牲の愛と恵みのしるし、さらに宿屋とはわたしたち教会、キリスト教共同体であると説かれた。

また、ヤコブの手紙に「病気の人は、教会の長老を呼んで、主の名によってオリーブ油を塗り、彼のために祈ってもらいなさい。信仰による祈りは、病人を救い、主が立ち上がらせてくださるでしょう。その人が罪を犯したのならば、主はそれを赦されるでしょう」(5,14-15)とある箇所を教皇は紹介。

これは使徒の時代からすでにあった行為を示すものであり、実際イエスは弟子たちに病人や苦しむ人たちへの特別な関心を教え、イエスの名と心を通して病人たちに安らぎと平和を与える能力を彼らに伝えられたと話された。

「苦しみや病の中で、自分が一人ではないと知ることは素晴らしいこと」と教皇は述べ、司祭をはじめ病者の塗油に立ち会う人々はイエスと共に唯一つの体を形成するキリスト教共同体全体なのであると指摘された。

そして、一番大きな慰めは、その秘跡の中で主イエスご自身がわたしたちの手を取り、わたしたちが主に属し、悪や死からさえも主からわたしたちを引き離すことはできないと知ることと強調された。








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