2013-10-29 18:43:09

「信仰の喜びを生きよう」バチカンで家庭をテーマにした行事


教皇フランシスコと共に、「家庭:信仰の喜びを生きよう」をテーマとしたイベントやミサが、26日と27日にわたりバチカンで開催された。

教皇庁家庭評議会が「信仰年」を記念し企画したこれらの行事には、イタリアはもとより世界各国の家族ら、およそ10万人が参加。小さな子どもたちからお年寄りまで、すべての世代が集い、会場の聖ペトロ広場やその周辺を活気付けた。

26日(土)の集いでは、家庭をめぐる考察や信仰の証言などが行われた。

子どもたちに囲まれて着席された教皇は、各国の信者たちが語る、現代家庭の苦しみや喜び、貧困や戦争など家族を取り巻く状況、信仰生活上の問題や希望に耳を傾けられた。

様々な困難の中で家族は信仰の喜びをどのように生きることができるのかと問われた教皇は、「疲れた者、重荷を負う者は、誰でもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」 (マタイ11,28)というイエスの言葉を家族らに提示。わたしたちの日常の疲れと重荷、喜びと安らぎを希求する心を知っておられる主に深く信頼することで、主によって喜びに満たされると説かれた。

「わたしたちの生活で最も辛いのは、仕事の疲れでなく、愛が無いことの疲れです」と教皇は指摘。家族・夫婦・親子の間で微笑みや会話がない、お年寄りが孤独に感じる、困難を抱えた家族がまわりの支援を受けられないなどの、愛の無い状況に注意を促された。

教皇は男女の結婚に基づく家庭の重要性にも言及。結婚とは、「順境にあっても逆境にあっても、病気の時も健康の時も、生涯、互いに愛と忠実を尽くすことを誓います」と、神の御前で誓ったその時から、アブラハムのように主の大きな御手にすべてを委ね、未知の旅に夫婦で手を取り合って出発し、生涯その手を離さないことと表現された。

夫婦は信仰に根差した相互の信頼によって、人生のすべての出来事に勇気と責任をもって立ち向かうことになるが、その恵みを得るためには秘跡としての結婚こそが不可欠であり、結婚式は単なる祝宴や人生の飾りではないと強調された。

また教皇は、お年寄りは家庭と社会の叡智であると述べ、祖父母の言葉に積極的に耳を傾けるよう勧められた。

27日(日)には、ロザリオの祈りに続いて、教皇司式によるミサがとり行われた。

説教で教皇は、キリスト教的家庭を、「祈る家庭」「信仰を守る家庭」「喜びを生きる家庭」の3つの観点から見つめられた。

家庭での祈りについて教皇は、祈りは一人でするもの、家庭では静かに祈れないと言う人がいるかもしれないが、家族のすべてが神の助けと祝福を必要としていることを忘れてはならないと指摘。

「主の祈り」や「ロザリオの祈り」を皆で唱えたり、夫は妻のため、妻は夫のために、また親は子のために、子は親のためにと、互いのために祈り合うことは、家族の絆を強めるためにも素晴らしいことと話された。

家庭で信仰を守るということにおいて、信仰は個人財産のように金庫に入れておくものではなく、証しや、他の人々に心を開くことを通して分かち合っていくものと、信仰を伝え、分かち合う努力を教皇は奨励。

家庭内の真の喜びとは、物質的な事柄や順調な状況から来るものでなく、人と人の間の深いの調和から来るもの、そしてその調和と喜びは家庭の中に神の存在があってこそ得られるものと強調された。








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