2013-07-08 19:20:59

無関心のグローバル化に警告、教皇、ランペドゥーサでミサ、移民たちとお会いに


教皇フランシスコは、8日、イタリア・シチリア州のランペドゥーサ島を司牧訪問された。

地中海に浮かぶランペドゥーサ島は、北アフリカに近い位置関係から、アフリカからの移民・難民を乗せた船が漂着することが多く、現地の自治体や教会、住民はこれらの人々の救援や受け入れをめぐる様々な現実に日々直面している。

教皇フランシスコが登位後、初めてのバチカン市国外での司牧行事として選ばれた今回のランペドゥーサ島訪問は、地元の教会の一人の主任司祭からの招きに応えたもの。教皇はこの訪問を通し、これまで海上で犠牲になった移民たちのために祈ると共に、移民の支援と受け入れにあたる人々を励まし、この問題に対する人道的意識を福音の立場から訴えることを望まれた。

この朝、ランペドゥーサ島の空港に到着された教皇は、島東部カラ・ピサーナよりイタリアの海上保安局の船に乗られ、ランペドゥーサ港ファヴァローロ堤へと向かわれた。

教皇の船は、地元の漁船に囲まれるように進み、途中、岸壁で歓迎する市民らに教皇は手を振られていた。

ポルタ・デウローパという海域で、教皇は船上から黄色と白の菊の花輪を波に投げ入れられ、海で命を落とした移民のために長い沈黙の祈りを捧げられた。

到着したファヴァローロ突堤で、教皇は移民たちのグループに迎えられた。多くはまだ年若い移民たち一人ひとりに、教皇は通訳を交えて言葉をかけられた。

移民の代表の青年が教皇に挨拶をおくる中で、経済的・政治的理由によって祖国を離れるのを余儀なくされたこと、道中、拉致されたり、非常に厳しい状況を経てようやくこの地にたどり着いたことなどを話した。教皇は移民の青年の話しに注意深く耳を傾けられていた。

続いて、教皇はランペドゥーサ島のグラウンドでミサを捧げられた。ミサにはおよそ1万2千人の市民が参加した。

ミサの説教で教皇は、このたびの訪問の目的を説明。「希望への道であるはずだった船が死への道になった」こうしたタイトルと共に海上で亡くなった移民の記事を読んだ時、今までも何度もあったこうした出来事が心の棘となって苦しみと共に思い起こされ、この地に来て祈り、連帯を示し、こうしたことが二度と起きないようにわたしたちの意識を呼び覚まそうと望んだ、と述べられた。

教皇はランペドゥーサ島で移民の支援にあたる人々の連帯の精神に心からの感謝を表された。

「グローバル化が進んだ今日、わたしたちは無関心のグローバル化に陥った」と訴えた教皇は、神がカインに向けた「あなたの兄弟はどこにいるのか」という問いを引用しながら、他人の苦しみに慣れ、無関心になった現代人に警告を与えられた。

そして、教皇は自分の幸せに閉じこもり、心の扉を閉じてしまった人間のために、神に赦しを請われた。

ミサの後、教皇は、今回のランペドゥーサ訪問を教皇に願ったステファノ神父が主任司祭を務めるサン・ジェルランド教会を訪れた。教皇は同神父はじめ教会関係者と聖堂内で祈りの時を持たれた。

こうしてランペドゥーサ島への短い訪問を終えられた教皇は、同日午後バチカンに戻られた。








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